新刊ラジオ第1410回 「やせことば。―NHKためしてガッテンのディレクターが考案!」
NHK「ためしてガッテン」のディレクターが、“最も成功率の高いダイエット方法”と太鼓判を押した「計るだけダイエット」を、更に完璧なものにするのが本書。挫折したり習慣化できずに失敗してしまった方は、「言葉の力」が足りなかったのです。あなたも、ドカ食いOKの体を手に入れてみませんか?
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北折一さんインタビュー(1)
夏が近づいてきました。この時期になると、慌ててダイエットを始める人もいるのではないでしょうか。しかし、急激なダイエットをしてはいけません。
ダイエットは、“ちょっとだけ頑張るくらい”が、結果的に一番効率的だということを教えてくれた本が、主婦と生活社から出版された『やせことば。』です。
著者の北折一さんは、NHK「ためしてガッテン」を番組立上げから担当してきたテレビディレクターです。 科学的な実験結果を元に、生活に役立つノウハウを知らせてくれる番組のディレクターが、なぜ「言葉」に注目して本書を執筆されたのでしょうか。
矢島雅弘(以下、矢島) 今回は『やせことば。』の著者である北折一さんをスタジオにお招きしました。
北折一(以下、北折) よろしくお願いします。
矢島 今日は、テレビ番組のディレクターである北折さんをスタジオにお招きしていますが、普段は北折さんがブースの外でお仕事をされている立場なんですよね。
北折 そうですね。普段は僕がゲストをお招きするような仕事をしていますから、今日は初めてのことで、緊張しています。
矢島 今回、北折さんは、『やせことば。』という本を上梓されました。僕が最初に感じたことは、「ためしてガッテン」という、科学や実験で実証された生活ノウハウを知らせる番組のディレクターが、なぜ「言葉」に注目して、本を書かれたのかというところです。正直なところ、「言葉では痩せないだろう」と思う人も多いと思いますが、本書の主軸を「言葉」にした意図は何でしょうか?
北折一さんインタビュー(2)
北折 僕たちは、「ためしてガッテン」という番組を通して、ただダイエット方法をご紹介して終わりというのではなく、それを確実に受け取ってもらって、更に成功してもらいたいとまで思っています。そこまでが僕たちの仕事だと考えています。 番組では、「計るだけダイエット」という、非常に成功率の高い方法をご紹介しました。更に、それをサポートするジョギング方法などもご紹介して来ました。 しかし、それでも、途中で止めそうになった人や、せっかくうまくいっているのに停滞している人たちがいます。そんな人たちが、もう1回元気を取り戻して、やる気が続くためには、「言葉の力」もかなり強いのではないかというところに注目しました。確実に成功するためにはどんな作戦でも使いたいというのが僕たちの考え方ですので、「言葉の力」が強いのであれば、そういう方法をとろうというのが今回の意図です。
矢島 ダイエットのモチベーションが続かないという問題に対して、「言葉の力」を使って何とかできないものか、というところから始まったのですね。 僕も何冊かダイエット本を紹介して実践してきたものがありますが、いつの間にかやらなくなってしまったものがいくつかあります。習慣化がなかなかできなかったんです。
北折 もともと世の中の多くのダイエットは、習慣化することや、頑張るモチベーションは自前で用意するのが前提になっているものが多いんですね。 「計るだけダイエット」は、習慣化するというよりは、がんばった分、明日の朝に痩せて気持ちいいという楽しみに繋がっていて、つい続いちゃうというのが基本コンセプトになっています。習慣化が勝手に起こりやすいものはないかと考えて出たものでした。 しかし、それでも上手くいってないときに、何かサポートできるものはないかとも考えて、そうして色んな言葉を考えてみたんです。
北折一さんインタビュー(3)
矢島 北折さんは「計るだけダイエット」の考案者でもあります。習慣化されやすい「計るだけダイエット」でも、継続させるのが難しいという方もいらっしゃるんですか?
北折 そうですね、この方法で100%いけると思っていたんですが、実際は、70〜80%です。残りの人たちはなぜ止めちゃったのかな、と考えているとき、サポートする何かが必要なのだと考えたわけです。
矢島 なるほど。そうして「やせことば。」を本書に綴ったのですね。 この本には、北折さんが考えてきた、80個近い「やせことば。」がありますが、これはどのように作られたのでしょうか。
北折 私は番組を作っていますので、とにかくどういう風にしたら相手は動いてくれるのかということをずっと考えています。私は無口な性格なので、番組の打合せのディスカッションでも無口ですが、黙っている間中、頭の中で考えているんです。その習慣で、黙ってる間は何かものを考えているので、うまく痩せてない人にはどんな言葉をかけたらいいだろうか、ということを常に考えて、家族と一緒に過ごしているときも考えて。そうやってまとめていきました。
矢島 どんな言葉があるかさっそく読んでいきたいと思います。北折さんの今日のお気に入りを教えて下さい。
北折 「よっしゃ、倉庫から出そう」(144ページより)ですね。 ダイエットしたい人とは、つい食べてしまって体の倉庫に貯めてしまった油を減らしたいというのが一番の目的なんです。 倉庫から油が出てくるタイミングっていうのは、体の中に血液中のエネルギーが足りなくなった頃=空腹時なんですね。お腹が空いたときに、今から倉庫から出てきたそれを使うという合図が空腹だったりするわけです。
矢島 お腹が空いたと思ったら、脂肪細胞が倉庫を開けて、今から出しますよ、というタイミングなんですね。
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北折 油を出そうとしているときに、腹が減ったからとつい食べてしまって、上から押さえつけるようなことをやってしまわないための言葉が、「よっしゃ、倉庫から出そう」という言葉なんです。目の前に食べ物があって、手が伸びそうになったときでも、ことばを唱えれば、延びてる手が止まるっていうようなものです。
矢島 目の前にちょっとしたお菓子があったり、小腹が減ったとき手を伸ばそうとしますが、ここで食べない!! 「よっしゃ、倉庫から出そう」と。
北折 こういうとき人は、我慢、我慢と自分を押さえつけようとするんですけど、いつか我慢で押さえつけようとしたことは、いつか我慢できなくなったときに、反動で一気に来てしまって、ドカ食いしてしまったりしますね。お菓子が止まらなくなっちゃったりして。
止めようと思っている意思っていうのはそんなに強いものではありませんので、それを止めようとするくらいだったら、「倉庫から出そう」「いいことが起こるんだ」っていうように考えることによって、つい食べ過ぎるっていうことを防ぐことができるはずですので。
矢島 ありがとうございます。他にもお気に入りのことばはありますか?
北折 「空腹は幸福の手紙」という言葉があります。結局、やり過ごせる空腹感を長く過ごした人だけが油をたくさん燃やすことができた人です。 その空腹は、今すぐ埋めておかなきゃいけないものではありませんね。むしろ、このように考えます。明日の朝、体重が減っているというお知らせ。空腹を我慢しておけば、その後のご飯が美味しくなるぞというお知らせ。それを長く続けていけばやがて健康な体が手に入るっていう知らせでもあります。 空腹というのは、つぶしておかなければならない悪いものじゃなくて、いいことを知らせにきている幸福の手紙なんじゃないのでしょうか。
矢島 ユニークな記述がありますね。 86ページにある、ダイエットWikipetaori2(北折とWikipediaをミックスした)の中から、な行に載っている言葉です。 「なんか最近近くって」。 宴会でトイレに行くときの話です。宴会の席では、つい食べ過ぎてしまうことがよくありますよね。そんなとき、トイレに行って「危ねぇ、危ねぇ」と反省するための言葉です。
北折 やっぱり、食べ物が目の前にあり続ける環境っていうのは、つい食べてしまう環境であるので、それを断ち切るためにはトイレって有効なんですよ。トイレに行って、目の前に食べ物がある環境じゃないところでリセットするのです。
矢島 トイレという場所柄も食欲減退の効果がありそうですね。
北折 ええ。あと、お腹の肉を揉んでみたりすると、せっかくちょっと減ってきてるのに、ここで食べちゃったらもったいないわ危ねぇ危ねぇと。
矢島 「やせことば。」は、この言葉を唱えるだけで痩せるというものではありませんが、北折さん考案の「計るだけダイエット」と合わせて、計るだけダイエットを継続するためにも役立ててほしいですね。
北折 ダイエットをやったときには、失敗するようにできているのが人間です。太った体を自分の体と脳が認識しているので、急激に痩せようとすれば、体に何か問題が起きたと認識されて、元に戻そうとするメカニズムが働いてしまいます。ですから、急激に効果が出ることを売り物にしているダイエットは、失敗すると考えていいと思います。 ゆっくりゆっくり痩せる、そんなに頑張らない、ちょっとだけ頑張るダイエットを長く続けると、痩せたときに太りにくい体が手に入っているのです。 ドカ食いをしても、翌日には食欲が落ちて食べなくなるということを脳がコントロールしてやってくれる体が手にはいりますから、がんばらないダイエットをやるようにしてください。
<プレゼントのお知らせ>
北折一さんのサイン本『やせことば。』を1名様にプレゼントいたします。
ご応募は、[email protected] まで。 「痩せたいぞ!」という意気込みを書いて送って下さい。
ご当選された方にこちらからご連絡させて頂きます。