新刊ラジオ第1350回 「契約は最初の訪問で決めなさい」
全米の営業マンたち100万人が実践し、成果を上げた、ブライアン・トレーシーの「クロージング・テクニック」を本書ですべて公開! 本書は、営業マンとしての心得から始まり、いかに見込み客の購買意欲を高め、一気にクロージングに持ち込むか、そしてどのような方法で契約に結びつけるかといった実践的なテクニックが凝縮された1冊です。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
徹底的に売るための営業テクニック
皆さんの家に、訪問販売は来ますか?
忙しいときに来られると、たまに迷惑だったりしますが…。 巧みな話術、プロの知識、その気にさせる営業トークを持っている人に当たると、 要らないものでも、つい買いたくなってしまったりしますよね。
『契約は最初の訪問で決めなさい』(ダイヤモンド社/刊)は、世界的に有名なセールスパーソン、ブライアン・トレーシーさんが、“商品を売るためのテクニックをすべて詰め込んだ”という一冊です。
訪問販売に弱い僕(スタッフ)は、こんな本が出回ったらお金がいくらあっても足りなくなっちゃいそうです…><。
● 著者について ブライアン・トレーシーさんは、カリフォルニアに本社をおく研修、コンサルティング会社会長。高校中退後、肉体労働者からセールスパーソンを経て、大企業重役となり、現職。低学歴、低所得層から、自力で億万長者まで上り詰めました。
主に、営業や販売の仕事をしてきた方ですが、成功のために構築したアイデアやテクニックは、世界40カ国以上、400万人以上の方々に、セミナーや講演会を通して伝えられています。日本にもファンは多く、『カエルを食べてしまえ!』『ブライアン・トレーシーの 話し方入門』(新刊ラジオ第564回)など、訳書多数。
今でこそ、世界的なトップセールスマンとして成功を果たしたトレーシーさんですが、最初のうちは、それは、それは、うまくいかなかったそうです。
実は、トレーシーさんは営業マンとしては致命的とも言える、 「契約してください」の一言が言えない営業マンだったのです。
ほとんど契約が取れなかった暗黒時代
セールスパーソンとして奮わなかった頃のトレーシーさんは、見込み客に色々と商品の説明をしたはいいが、お客さんの背中を押す「最後の一押し(クロージング)」ができない営業マンでした。 せっかく商品を紹介したのに、あと一歩のところで、「じゃあ、ちょっと検討してみるから…」と、お客さんを逃してしまう日々の繰り返しでした。 しかし、そんなトレーシーさんも、ある日のある出来事をきっかけに一変します。
いつものように営業トークを終えたあと、お客さんは言いました。
「じゃあ、考えてみるからまた電話してよ」
ここで、いつもだったら引き下がっていたトレーシーさんですが、 喉から心臓が飛び出しそうになりながらも、このときは、こう答えたそうです。
「申し訳ありませんが、お電話はいたしません!」
なんだって? と驚くお客さんに、さらにひと言。
「そうです。決断するのに必要なことは、もうすべて申し上げました! いまお決めになってはいかがでしょう?!」
するとお客さんは、「そうだな、電話をくれないのなら、今決めたほうがよさそうだ」と、そこで判断して、契約してくれたのだそうです。
まさに、「クロージング」の一言が功を奏したわけです。
この後、トレーシーさんは、隣家を訪ねて同じ方法で3件の契約を取りました。 これまでは3件の契約をとるのに1週間はかかっていたのが、わずか45分足らずで取れた! と、大喜びだったそうです。
快進撃はそれだけでなく、その後1ヶ月もたたないうちに、社内の売上げ記録を突破し、販売部長に昇進し、部下が32人になり、収入が20倍になったと、大きな成長エピソードが本に書いてありました。
クロージングを磨けば、売れる・契約が取れる!
トレーシーさんは、自分の成功体験や、売れてる営業マンを観察したことから、営業や販売には、「クロージング」がもっとも大切だということに気づいたといいます。
不況にも関わらず、どんどん商品を売る営業マンは、「お客さんのニーズを見極め」「信用を勝ち得」「反論にも答え」「どのタイミングで打診すれば注文をとれるのか」ということを知っているのです。
そこに目をつけたトレーシーさんは、研究とトライ&エラーを繰り返し、やがて独自のクロージング・テクニックを考え出しました。生み出したテクニックは、実際の営業で使ってみて、効果のあったものをどんどんノウハウ化していきました。
そうするうちに、クロージングのテクニックが身につくと、どんな人でもかなり売れるようになることがわかったそうです。すると、それは「自信」となって表情や、話し方に現れてくることにも気づきました。
売り込みや、プレゼンに自信があれば、自身に満ちて、積極的になれるし、見込み客から見ても信頼できる人間に映るのです。そういった、自負心や、セルフイメージの向上はプラスに作用して、売上げは更に更に上がっていったそうです。
決断の前に立ちはだかる3つの「見込み客心理」
トレーシーさんは、営業でセールスを成功させるための最大の問題は、 「見込み客に行動をとらせることができるかどうか」だといいます。
行動させるというのは、なかなか壁が多いものです。特に、お金を使わせるわけですから、なおさらです。 お客さんの財布の紐を緩め、購入という行動させるためには、壁となっている心理を取り除かなければなりません。
本書で紹介されている、決断の前に立ちはだかる3つの「見込み客心理」を紹介しましょう。
1.失敗を恐れる心理 見込み客が買うことをためらう理由のひとつに、「失敗を恐れる心理」が働いているケースがあります。 自分に置き換えて考えてみてください。
このパソコンが欲しい!! でも、高すぎないかな・・ もう少し待てば安くならないかな・・ 探せばもっといいものがあるんじゃないかな・・ そもそも買っても使いこなせるかな・・・
買ったあとの後悔とは後味の悪いものです。 しかし、誰しも1度は買い物の失敗を経験しているものではないでしょうか。
だから見込み客は慎重になるのです。 「決める前によく考えたい」「詳しい友人に相談したい」となるわけです。
営業マンは、見込み客はみんな「買い物で失敗した経験をもっていること」を心得ておかなければなりません。慎重になっている見込み客は、買うことのメリットだけをアピールしても、決して「うん」とは言わないでしょう。
新しい商品を売るためには、多くの見込み客が持っている、以前の経験からくる“失敗したくない気持ち”を取り払ってあげる必要があるのです。
2.安心を手放せない心理
2つ目の壁は、「人間の惰性」です。 人は、特定の製品やサービスを使って何事もなければ、あえて別のものに変えようとはしません。今のやり方で慣れているのであれば、もっと安価でよい商品があっても、その優位性だけで見込み客を動かすことはなかなか難しいのです。
製品やサービスを別のものに変えたり、物事のやり方を別のものに変えたりしてもらうには、さらにその上に得られるメリットを強調しなければなりません。 また、そういった心理は、すぐには変わらないので、何度もお客様のところに通って、繰り返し伝えることも重要なのです。
3.決断による責任にためらう心理
3つ目の壁は、購入の決断にはストレスがかかるということです。 購入の決済には支払いの責務がともなうため、「本当に良いのか」という迷いや不安、さまざまな要因から、自分が責任を負うストレスを感じます。 だから、営業マンは、セールスにおけるすべての段階で、ポジティブで、自信をもって、プロ意識をもって接しなければなりません。 それが、信頼に結びつき、契約に結びつくのです。 また、間が空くと迷う時間となるので、取引をまとめて、詳細を詰めるときは、迅速にすることも重要だと言っています。 お客様の決断を待っているのではなく、あらゆる面で、お客がイエスといいやすいように環境をつくってやることが大切なのです。
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