だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1339回 「Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった」

Twitterでの実況や、YouTubeへの動画投稿が当たり前になった今、新聞やテレビの力は絶対的なものではなくなりました。本書は、ジャーナリストの田原総一朗氏が、メディアの寵児たちとの対話を通して「新聞の凋落」「テレビの電波利権」「政治ジャーナリズムを蝕む官房機密費」など、メディアのタブーを徹底的に探る一冊。堀江貴文、三木谷浩史、佐々木俊尚、津田大介など、注目の人物が多数登場する。

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田原総一朗、6人のメディアの雄とガチンコ対談

● 著者について

著者の田原総一朗さんは、テレビでもお馴染みのジャーナリストです。 大学卒業後、映画製作会社やテレビ局ディレクターを経て、現在はフリージャーナリストとして活動中です。「朝まで生テレビ」などで見せてきた鋭い突っ込みっぷりは、76歳になった今でも健在です。

今回紹介する<a href=>「ツイッターの神々 新聞・テレビの時代は終わった」は、テレビ畑で活躍されてきた田原さんが、新聞やテレビが有力なメディアの時代はもう終わったと感じた理由を語った本です。

全3部構成になっています。 第1章では、田原さんとツイッターの出会いや、新しいメディアの可能性について。 第2章では、新しいメディアの先駆者たちとの対談。 第3章では、対談にも出て来た佐々木さん、津田さん、さらに東京新聞の長谷川副主幹も交えて開かれた「ツイッター激論」なるシンポジウムの様子が収められています。

対談に登場するのは、このような錚々たるメンバー。

◆ 三木谷浩史(みきたに ひろし) 楽天代表取締役。日本を代表するインターネットサービスの先駆者。

◆ 佐々木俊尚(ささき としなお) ITジャーナリスト。「グーグル」「マスコミはもはや政治を語れない」「電子書籍の衝撃」などの著者が話題。

◆ 津田大介(つだ だいすけ) メディアジャーナリスト。09年に出版した「ツイッター社会論」を始め、日本にツイッターを定着させた伝道師的存在。

◆ 上杉隆(うえすぎ たかし) 「記者クラブ制度問題」や「官房機密費問題」といった、メディアや政治ジャーナリズムの暗部を厳しく追求している政治ジャーナリスト。

◆ 堀江貴文(ほりえ たかふみ) ホリエモンの愛称でお馴染みの元ライブドア社長。裁判は現在も継続中ながら、最近は作家活動やロケット開発など多方面で活躍中。

◆ 夏野剛(なつの たけし) NTTドコモが立ち上げた「iモード」の生みの親的存在。現在はニコニコ動画を運営するするドワンゴの取締役など、複数の企業の経営に関わっている。

田原総一郎 ツイッターの理由は、偽者に触発されて

田原さんとツイッターの取り合わせは、一見違和感がありますが、すでに14万人ものフォロワーを集めるほどのヘビーユーザーです。ツイッターを始めた動機は、「自分のなりすましが現れ、話題になっていたところに興味を持ったから」なのだとか。

今やツイッターでの情報収集は、ビジネスの上でも欠かせないものとなってきています。しかし、いまだ経営者の中には、ネット情報の信憑性やネットと経営を結びつけることに対し否定的な人が多いといいます。 田原さん自身も、それまではネット媒体に好感を持っていなかったそうです(「2ちゃんねる」で、自分のことをボロクソに書かれていた経験からもあり) しかし、田原さんは、ツイッターやフォロワー達はそれらとはまるで違う事に気付いたそうです。ツイートに対する責任感や、細やかなリアクション、さらに「既存メディアが触れない問題に対する正直さ」に好感をもっているといいます。

例えば、民主党の小沢一郎氏の訴訟問題で田原さんは、検察からの情報の嘘の多さから、検察が狙う事件に関しては、小沢氏はきわめてシロに近いと発言していました。既存メディアだと、田原さんのこの考えには反対意見が多く、テレビや新聞からの情報に頼っていた人たちも否定的でした。 しかしツイッターでは賛同の意見が多く聞かれたのです。

そのことから、既存メディアからの固定観念に縛らないフォロワー達の柔軟性を見直したのだそうです。 それ以降、テレビやラジオなどで意見を発表する時は、思い付いたことをまずツイッターで発信してどう受け取られるかを試すようにしているそうです。

新聞・テレビの時代は終わったのか

田原さんはツイッターにハマったことで、これまでの情報メディアの主力だった「新聞」や「テレビ報道」の限界を感じるようになったといいます。

田原さんは既存のメディアを「オールドメディア」と呼んでいます。 例えば、去年起きた「尖閣諸島沖での海保巡視船と中国漁船の衝突事件」。 事件当時の映像は一部の閣僚や国会議員のみが見ることになりましたが、結局YouTubeを使った「流出」という形で世に出回りました。 今まで、こういった“すっぱ抜き”は、テレビや雑誌の機能でしたが、YouTubeにアップロードという形の内部リークとなろうとは…。

さらに、「政治とカネ」の問題で注目されていた小沢一郎前幹事長が、政倫審などへの出席要請に対する意見表明の場に、「ニコニコ生放送」を選んだということもありました。

これまでは、新聞やテレビを通して国民はスクープを知ることができました。しかし近年、YouTubeやツイッターといった新しいメディアの躍進により、大スクープがネットから発信されるようになりました。情報公開の形が変わってきたのです。

この変化が、田原さんの考える「テレビ・新聞の終わり」の一部分です。 新しいメディアでは、これまで新聞やテレビが触れようとしなかった核心部分や、報道の暗部をさかんに取り上げ議論しています。 そこにはプロも素人も関係なく、思うことがある人たちの活発な意見交換が実現しています。 田原さんは、その形にもジャーナリズムの新しいあり方を感じているようです。

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Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった

Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった

Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった

Twitterでの実況や、YouTubeへの動画投稿が当たり前になった今、新聞やテレビの力は絶対的なものではなくなりました。本書は、ジャーナリストの田原総一朗氏が、メディアの寵児たちとの対話を通して「新聞の凋落」「テレビの電波利権」「政治ジャーナリズムを蝕む官房機密費」など、メディアのタブーを徹底的に探る一冊。堀江貴文、三木谷浩史、佐々木俊尚、津田大介など、注目の人物が多数登場する。