だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1336回 「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 コミュニケーション編」

本書は、元・国際ファーストクラスのCAが体感してきた、“本物の成功者たち”の習慣を、実践的なコミュニケーションのテクニックとしてまとめた一冊です。どれもシンプルな習慣ですが、ちょっとした気づかい、声のかけかた、立ち振舞い、どれをとってもうなるばかりです。成功するためのコミュニケーションスキル“人たらし”を、身に付けてみませんか?

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成功者に共通する「人たらし」の習慣

一流の人や、成功者と呼ばれる人の立ち振舞いを見て、そのスマートさに見惚れてしまったことはありませんか? そうではなくても、スマートな立ち振舞いや、さり気ない気づかいができる人には、性別関係なしに、どことなく引かれてしまうものですよね。

ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 コミュニケーション編は、元国際線CAが、創業社長など一流の成功者たちと触れ合う中で見つけ出した、コミュニケーションの習慣をまとめた本です。 スマートな立ち振舞いや、気づかいの習慣を手に入れたい方におすすめです。

● 著者は、元・国際線ファーストラクスCA

美月あきこさんは、日系・外資系双方で活躍してきた、元・国際線キャビンアテンダント(CA)。現在は、女性のキャリアを支援するコンサルティング会社の経営。CA経験者のポテンシャルを活かした企業向けマーケティングサービス「空飛ぶマーケッター」接待研修などを行っています。

● ファーストクラスには、一流の成功者が乗っている

ファーストクラスの搭乗料金は、[日本⇔ニューヨーク間](往復)だと、約200万円と、かなりの高額です(航空会社・季節・曜日により変動します)。数時間のフライトに百万単位のお金をかけられるファーストクラスの搭乗客は、やはり、それ相応のお金や地位を得た成功者たちです。 そんな環境で、多くの成功者たちとフライトをともにしてきた美月さんは、ファーストクラスのお客様は、会話だけで自分のファンを増やせる“人たらし”であると言います。

相手との壁を突破する、成功者の気づかいの習慣

● 人たらしは成功しやすい?!

“人たらし”とは、人に好かれる人。応援してもらえる人。助けてもらえたり、良くしてもらえる人のことです。人間関係がものを言う現代のビジネスシーンでは、“人たらし”であることは、大きな武器となります。

本書は、成功者たちと長くフライトを共にしてきた美月さんの経験を元に、「成功者たちは、どんなコミュニケーションの習慣を持っていて、どんな状況で、どんなふうに活用しているのか?」を明らかにしていく内容となっています。

また、そういった成功者のコミュニケーションを身に付けるにはどうすればよいのか?ということについても書かれています。

●成功者は、絶妙なほめ言葉を使う

ファーストクラスのお客様は、相手をほめる言葉をよく使います。 おだてるのとはちがいますよ。「ほめる」というのは、「相手がもっている美徳や長所を、認めてあげる」ということです。

ただほめるだけではありません。 大切なのは、「具体性」と「タイミング」です。

「他人をほめる」というコミュニケーションは、「ほめ言葉」が具体性をもっていると、 ほめられたほうの嬉しさも、より大きい物になるのです。

たとえば、商談の後、部下や後輩をほめるとき。 「今日の提案よかったよ」というのと、「今日の提案、ときおり先方の担当者が身を乗り出して聞いていたね。すごかったじゃないか」というのでは、やっぱり印象が違うものですよね。

成功者はこのように、具体性を持ったほめ言葉を使うのです。 さらにいえば、本人が得意とする部分やスキルに注目してほめてあげると、より効果的なのだそうです。

また、タイミングも重要ですよね。 さっきの例にしても、商談が終わった帰り道なんかでほめてあげるのがよいのではないでしょうか。

相手の自尊心を満たすと味方になる

● 成功者は、リスペクトをこめた「教えてください」という姿勢で質問する

ファーストクラスのお客様は、みんな腰が低く、謙虚なのだそうです。 会話の中で知らないことがでてきても、変に知ったかぶりをするわけではなく、「私はそれについてよく知らないから、教えてほしい」と聞き返してくるそうです。 成功者はあたらしい情報や知識を得るのに貪欲です。

知らない話題について、すぐに「教えてほしい」と聞くことは、 1.すぐに回答が得られる 2.その質問を機会に親しくなれる という、2つのメリットがあります。

美月さんは、「教えてほしい」とういう姿勢を見せることは、相手の自己有能感(自尊心のようなものです)を満たすので、短時間で距離が埋まるといいます。

確かに、「それなどんなこと?教えてくれる?」って聞かれたら、いやな気持ちはしませんし、相手に認めてもらえたなってうれしい気持ちになっちゃいますよね。

● 依頼と相談のフレーズ

“自尊心を満たして相手との距離を縮める”ということについて、もう少し紹介しましょう。 美月さんが自身でも使ってこられた、相手の自尊心を満たす「依頼と相談のフレーズ」というものが本書に紹介されています。目上の方や、メンターに相談を持ちかけるときに使えるキーワード集となっています。 そのうちのひとつがこちらです。

「じつは○○さんにしかご相談できない内容のお話なので、ぜひお時間をちょうだいしたいと思っております」

相手の時間を拘束する依頼は、タイミング次第では断られてしまうことも多いものですが、このような“相手の自尊心を満たす”キーワードを使って依頼するとよいのではないでしょうか。

こんな台詞を後輩から言われたら、「これは自分がなんとかしてあげなきゃ!!」ってなってしまいますよね。

美月さんの経験においても、これで、どんなに忙しい人でもたいていの人は時間をとって相談に乗ってくれたそうです。 頻繁には使えないですけど、いざっ!というときの「切り札」として覚えておいてみてください。

全章チェック&まとめ

このようにして成功者たちは、相手を気持ちよくほめたり、自尊心を満たしたりして、自分のファンを作っていったのですね。

それでは最後に全章をまとめておきます。

1章 ファーストクラスに乗る人は、「人たらし」である。 ・ファーストクラスに乗る人は、周囲を自分のファンにする ・アイコンタクトで「好意」を伝える―自己好感を満たす ・上手にほめることで、相手の能力を認める―自己有能感 ・相手の名前を呼ぶことで、大事な存在であるとアピール―自己重要感 ・「人たらし」スキルをビジネスに活かす

2章 ファーストクラスのコミュニケーションを、ビジネスに活かす ・部下がやる気を出すひと言、反発してしまうひと言 ・相手の「自己重要感」を満たす ・単なる「聞き上手」「話し上手」ではない

3章 ファーストクラスに乗る人は「傾聴力」の達人 ・「積極的に聞く」ことで、人間関係がスムーズに ・ファーストクラスのお客様は「傾聴力」3点セットをもっている ・聞き手が使って重宝する「3つのチェンジ」 ・メモを使って絶妙なコミュニケーションを

4章 ファーストクラスに乗る人の感謝の表現 ・「ありがとう」があふれている空間 ・機内での忘れられない「ありがとう」体験 ・感謝の言葉を伝えるときに気をつけたいこと ・「ありがとう」を口にすると、幸せになれる理由 ・シンプルなのに効果バツグンな「お礼状」の習慣

5章 コミュニケーションの手段は言葉だけじゃない ・口ほどにモノを言う「非言語コミュニケーション」 ・笑顔は相手を受け入れるサイン ・タイミングのいいジェスチャーで、気持ちを伝える ・声はコミュニケーションの重要なツール

6章 ファーストクラスに乗る人のクレームのつけ方 ・新しいサービスになぜクレームが殺到したのか ・ファーストクラスのお客様はクレームのつけ方もスマート ・CAが実践しているクレーム対処術

7章 CAが実践しているコミュニケーション術 ・CAの仕事は「察する」ことから始まる ・CAは「先回り能力」を発揮する ・視線と指先も、大事なコミュニケーション・ツール ・CAのコミュニケーションスキルをビジネスに昇華する

本書は、元・国際ファーストクラスのCAがみてきた、“本物の成功者たち”のコミュニケーションを、実践的なテクニックとしてまとめた一冊です。 本当にどれもシンプルな習慣なんですが、ちょっとした気づかい、声のかけかた、立ち振舞い、どれを読んでもうなるばかりです。

コミュニケーションの習慣なので、ビジネスで使うようなものだけでなく、プライベートでも活用できる内容になっています。壮年の恰幅のいいおじさまがやらないと、“サマにならない”みたいな習慣ではないので、若い人も安心して読んでみて下さい。

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ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 コミュニケーション編

成功者のスマートでユーモラスな気づかい。カッコイイ。素敵。

ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 コミュニケーション編

ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 コミュニケーション編

本書は、元・国際ファーストクラスのCAが体感してきた、“本物の成功者たち”の習慣を、実践的なコミュニケーションのテクニックとしてまとめた一冊です。どれもシンプルな習慣ですが、ちょっとした気づかい、声のかけかた、立ち振舞い、どれをとってもうなるばかりです。成功するためのコミュニケーションスキル“人たらし”を、身に付けてみませんか?