新刊ラジオ第1327回 「あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方」
事務処理を減らして情報共有を円滑にすれば、リーダー不在でも仕事はスムーズに回ります。本書は、忙しいプレイングマネージャーが身に着けておきたい、チームマネジメントの解説書。これからのチームリーダーは、日々の仕事を回すだけでなく、社外に目を向け、新たな仕事に取り組む“成長する”視点が必要なのです。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
リーダー不在でも、稼ぐチームの作り方
職場やチームから、突然、リーダーや中心人物が抜けてしまったらどうなりますか? すぐにフォローに入れる人物がいますか? それとも、自動的に保管される仕組みがありますか? 多くの職場やチームでは、「あの人が抜けたら回らない…。」という不安要素は、常に持ち合わせているのではないでしょうか。
『あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方』は、現場にリーダーが不在の状態でも仕事がきっちり回り、成果に繋げることができる仕組み作りを解説した本です。
● 著者について 岡田充弘さんは、カナリア株式会社代表取締役。様々な企業のコンサルティングを経て、カナリアの前身である甲南エレクトロニクスにマネージングディレクターとして参画。創業以来最高の業績を達成し、翌年、カナリアへの商号変更と同時に代表取締役に就任。 ※前著に、「残業ゼロ!時間と場所に縛られないクラウド仕事術」など。
● この本のテーマ リーダー不在でも、変化に対応できる強いチームを作る
これからの経営者やリーダーは、「外に出ていく仕事」「外に発信していく仕事」を強く求められます。 しかし、リーダーが現場にいなければ回らないような会社、チームだと、リーダーは自分のするべき仕事に注力できず、多くのビジネスチャンスや、自分自身の成長のチャンスを逃すことになってしまいます。 会社組織は、リーダーを含め、特定の人物が抜けた途端に回らなくなるようではいけないのです。
仕組みをつくると、チームが成長する
リーダーが不在でも仕事が回るチームを作りには、大きな3つのメリットがあります。
1.リーダーが社外との関係構築や交渉に専念できる 経営者やリーダーは、いつも現場にいるのではなく、外に出て行く業務、対外的な業務にも注力しなければいけません。そこで心配になるのが、自分がオフィスを離れている間に発生する、業務の遅延や、オペレーション上のトラブルの発生です。 リーダーが不在でも仕事が回るチームを作れば、リーダーは対外的な業務に注力できます。結果として、会社の進捗にも、自分自身の成長にもつながるのです。
2.チーム全体を俯瞰して課題解決に当たれる 自分がプレイヤーになってチームメンバーと同じ仕事をしていると、現場にのめり込みすぎて、現状のやり方への疑問や、これからの課題が見えにくくなってしまいます。 一定量をチームに任せるようにすれば、リーダーは一歩引いた視点で業務を見渡すことができるようになり、結果として、問題点や改善点を見つけやすくなるのです。
3.自立した仕事ができるメンバーに成長できる チームで問題が発生したとき、権限も裁量も持っているリーダーが手を下せば、問題解決は迅速です。しかしその反面、チームメンバーが成長する機会を奪ってしまうことにもなるのです。そうなると、メンバーは「やらされてる感」が出てきたり、「いつまでもリーダーがいないと動けない」という状況にも陥ります。 リーダーが現場を離れ、チームで問題解決に当たることは、メンバーの成長にもつながるのです。
自立したチームをつくるために
自立したチームを作るためには、「仕組み化」が必要です。具体的には、情報の明示、共有化、オペレーションの詳細なマニュアル作りなどを進めていきます。 たとえば、このようなものです。 ・ メンバー同士が、仕事の進捗情報を一目で共有できる仕組みを作る。 ・メンバー同士が、お互いのスケジュールを把握・共有できるような仕組みを作る。 ・日々のコミュニケーションを密にして、無駄な会議をしないような仕組みを作る。会社の中のオペレーションを仕組み化することで、相互に補完し合える環境を作ったり、リーダーがいなくても日常業務を滞りなく行うことができるようになるのです。
トラブルへの対処もチームに任せる
しかし、仕組みは所詮、仕組みなので、判断に困ることもでてきます。それは、マニュアルを超えたときに発生する「トラブル」です。
一口にトラブルと言っても、色んなパターンがあります。 チームで対処していいものか。それともリーダーに対応してもらうべきものか。リーダーにお伺いを立てたところで、「なんだ、君の裁量で対処してくれてよかったのに」となったり、逆に「なんで勝手に判断しちゃったの?」となることがあります。 これは場合によっては途方もない時間の無駄になったり、損失のもとになることもあります。
しかし、実はこれも、「マニュアル整備」と判断基準の「共有化」を「仕組み化」すれば、対処を任せることができるようになります。
まず、よく起こるトラブルは日ごろからマニュアル化して対処できるようにしておきます。また、トラブルが起きたときには、そのトラブルを3つのものに切り分けます。 ? 「マニュアル内のトラブル」 ? 「マニュアル外のトラブル」 ? 「マニュアル外、かつ、リスクの高いトラブル」 「マニュアル内」のときは、メンバー個人がマニュアルに応じて対応できます。 「マニュアル外」のときは、臨機応変に判断した上で、リーダーに事後報告。 「マニュアル外でリスクが高いトラブル」は、メンバーは速やかにリーダーに報告・相談をして、対応していく。 3つ目以外ならリーダー不在でも対処できる状態をつくるのです。こうすれば、無駄にリーダーの時間が奪われることがありません。
本書は、中小企業から大きな会社まで使える、幅の広いマネジメント術です。経営者や、チームリーダーの方は読んでみてください。
あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方
現場リーダーは、チームも育てなきゃ! |