新刊ラジオ第1312回 「小鳥と柴犬と小沢イチローと ー日本を面白くしてしまった政治家47人の罪と罰」
週刊プレイボーイで大人気だった政治コラムがついに書籍化!新聞やテレビなどのマスコミが伝えない政治の素顔をジャーナリストの上杉隆が、とことん見せて、バッサリと斬るコラム。政治家の意外な日常を知ることができます。政治がつまらない。政治が面白くないと嘆くのならば、この本を読んでみると、また違って見えてくるのではないでしょうか。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
マスコミが報じない“面白い”政治家の一面
● 著者について 上杉隆さんは、1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支社局取材記者などを経て、フリージャーナリストへ。政治、メディア、ゴルフなどを中心に活躍中。
この本は、週刊プレイボーイで5年間にわたって掲載された政治コラム「新・東京脱力新聞」を書籍化したものです。「新・東京脱力新聞」」は、上杉さんが個人ブログを立ち上げたときのネーミング、「東京脱力新聞」」が発端になっています。 週刊プレイボーイの編集部からコラム連載の話がきたときに、担当記者が、“あまり深く考えずに、脱力しながら政治を語ろう”というコンセプトで付けた名前だそうです。
ざっくばらんで、くだけた物言いは、政治家を“ちょっと違う角度”から見たら、こんなに茶目っ気があって、人間味あふれてるんだよ、というメッセージが読み取れます。
その週刊プレイボーイの連載は、意外にも政治家たちもチェックしていて人気なんだとか。本文の中で、こんな風に書いてありました。
「連載が始まったのは小泉首相のときだった。それから日本の首相は5人代わった。 一方で、「東京脱力新聞」は、週刊プレイボーイ誌上で替わることなく続いた。その間、筆者も信じられないような反応が起こった。 「週プレの連載、面白いですね」 「脱力新聞、毎週、読んでますよ」 永田町を歩いていると、国会議員や秘書から毎日のように声をかけられる。元祖である「東京経済新聞」を抜いたことは明らかだった。 鈴木宗男事務所はいつも電話で感想を寄せてくれた。 小池百合子議員も「読んだわよ」、長妻昭前厚生労働大臣も「読みました」とわざわざ知らせて貴重な読者だった」
書名が『小鳥と柴犬と小沢イチローと』なので、小沢さんのことを書いた本かなと思ってしまいそうですが、サブタイトルにあるように、小沢さん以外にも、鳩山さんや、菅総理、小泉純一郎、小泉新次郎、石原慎太郎や、東国原知事まで登場します。
● 章構成 第1章 本当は小沢イチローっていい人かもしれない 第2章 鳩山由紀夫と宇宙な仲間たち 第3章 麻生太郎と愉快な仲間たち 第4章 福田内閣のおかしなおかしな仲間たち 第5章 安倍内閣のそして誰もいなくなった 第6章 小泉純一郎という政治家はなんだったのか 第7章 実は家族思いの石原慎太郎という都知事(リアル石原軍団?) 第8章 中央に野心あり? そのまんま東知事と地方首長の変人たち
ゴシップに近いネタが多く、ミーハー心をくすぐられます。どの章も声を出して笑ってしまう面白さです。 今回はその中から、小沢イチローさんの愛犬について書かれた一部を紹介します。
愛犬の死を悼み、代表を辞めるとまで言いだしたイチローさん。
「愛犬チビと小沢イチローの物語
愛犬の死を悼み、代表を辞めるとまで言いだした、イチローさんのちょっとイイ話。 東京・世田谷に一匹の柴犬がいました。 名前はチビ。従順で賢い犬です。 時は、大連立騒動の最中の2007年。福田首相とイチローさんが、国会議事堂でこっそりと密会していた頃のお話です。
チビはイチローさんが大好きです。飼い主のイチローさんもチビが大好き。そう、ふたりは相思相愛の仲だったのです。 早朝、チビを散歩に連れていくのがイチローさんの日課でした。心臓の悪いイチローさんでしたが、チビは飼い主の歩くペースに合わせてお供をします。 そんな利口な柴犬を、イチローさんは何より可愛がっていました。そばにはもっとペースを合わせてくれているSPさんがいるんですが、イチローさん、そこは微妙に無視です。 さらに犬の糞を始末するために、秘書さんがビニール袋とシャベルをもってもっと従順にお供をしているんですが、イチローさん、そのあたりも完全に無視です(涙)。 きっと犬以下なんですね、政治家秘書って・・・。 でも、そんな幸せの日々の中、悲しい「事件」が起こりました。 大連立騒動の最中、チビが死んでしまったのです。 イチローさんの悲しむことといったらありません。ついには民主党という政党の代表を辞めるとまで言い出してしまいました。すぐに撤回しましたが・・・」
美談なのか、茶化しているのか微妙なところですが、面白いお話です。 この本には、このような斜め上から見た政治家のエピソードがたくさん掲載されています。
小鳥と柴犬と小沢イチローと
思わず政治家に親近感を持ってしまいそうな一冊。 |