だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1307回 「20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」」

若くして抜擢された“20代のリーダー”が、本物のリーダーになるために必要なこととは何でしょうか。それは、「部下や同僚に信頼されること」に他なりません。“人を動かすことは、人の心を動かすこと”。ノウハウやテクニックは、基本的な心構えがあって、その上で活きてくるものなのです。本書は、その根本となる教えがぎっしり詰め込まれた一冊です。若手リーダー必読の書。

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本物のリーダーになるための心得

● 著者について 古川裕倫さんは、株式会社多久案代表。ビジネスアドバイザー。日本駐車場開発株式会社社外取締役。早稲田大学商学部を卒業し、三井物産、ホリプロ社取締役執行役員経営企画室室長、ホリ・エンタープライズ社長、株式会社リンスステーション副社長などを経て、現職。前著に、『課長のノート』『あたりまえだけどなかなかできない 51歳からのルール』など。

● この本のテーマ 「若手リーダーが、本当のリーダーに成長するための心得」

20代でリーダーに抜擢される人というのは、とても優秀な人物なのだと思います。そんな人でも、これからのことを考えると、期待の半面、不安でもありますよね。

古川さんも、20代のころは、人を動かすことが苦手だったそうです。だからこそ、今の若いリーダーに対して、リーダーとしての心得や、人に動いてもらうために必要なこと、よくやってしまいがちな失敗、そして、その対策を伝えたいという思いがあり、そんな経緯で本書を執筆されました。

古川さんは、「人を動かす」のに必要なことは、一言でいうと「人の心を動かす」ことだと言います。そのためには、「部下や同僚から信頼されること」、そして「まずは自分が行動すること」が大切だと言います。

本書には、実用的なテクニックも書かれていますが、古川さんが伝えたいメッセージは、「人を動かす技術を持った、器の大きなリーダーになるための心得」です。小手先のテクニックで人を動かそうとしてもうまくいかないから、明るく、さわやかで、行動力の高いリーダーになってほしいと、メッセージを送っています。

● 章構成 第1章「人を動かす」ための心得10か条 第2章「人を動かす」コミュニケーションの心得 ここでは、人を動かすための基本的な心得が書かれています。

3章「上司を動かす」技術 4章「チームメンバーを動かす」技術 5章「お客様を動かす」技術 上司、部下、お客様など、周りの人を動かすための考え方やテクニックについて書かれています。

次のページでは、新人リーダーが知るべき心得をひとつ抜粋して紹介します。

新人リーダーが知るべき心得

「現場の声を素直に聞く」

若手リーダーは、人の話をよく聞くこと。「聞く」技術を高めることです。 社内では、最前線にいるメンバーたちの直属の上司であるし、顧客にも極めて近い位置にいます。正確に現場の状況を把握して、あるべき現場の姿を考える大切な任務を負っています。それを上長や会社に報告し、改善の提案をする必要があります。それには、人の言うことをよく聞くことが大切です。

メンバーが若手リーダーに対し、すべてを率直に話すようになる最大の動機は、年代が近いことです。おわかりの通り、近い年齢であると気さくに話をしてくれますが、年齢の離れた上司には、なかなか話しにくいものです。 現場に近く、現場を良く知っていることが若手リーダーの特権であり、メンバーや顧客を動かすことができる原動力です。上司は経験豊富で、一を聞けば十わかる判断力を持ち備えているでしょうし、それが人を動かす源です。 だからこそ、よく人の話を聞かなければいけないのです。いいことの裏返しは何事に置いてもあります。年の近い人間が、ちょっと偉そうにしていたり、知ったかぶりしていたりだと、人は冷めてしまい、時にはねたみ心が生じることもあります。 もちろん、これはトップや幹部にも必要なことですが、十分ではなくても、なんとかやっている人がたくさんいます。それがいいことだとは思いませんが、ただ、そういう人たちは、長年の経験があって、哲学や場合によっては嗅覚のようなものを持ち備えているのです。相当な頑固オヤジで聞く耳を持たないトップや幹部でも、会社を仕切っていけるのは、そういうわけです。 そういうものをまだ持ち合わせない若手リーダーは、現場をよく知って、素直に意見を聞く、そういう姿勢が必要なのです。

技術やノウハウは、経験を積むことで、あとからいくらでも付いてきます。まずはこの本で、基本的な心構えを学んでみてください。その基本的な心構えを踏まえた上で、技術は活きてくるのです。

読者対象は、20代に限定されません。30代であっても、初めてリーダーになった方や、年下の上司がいるチームを取りまとめている方には価値のある本だと思います。

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20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」

20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」

20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」

若くして抜擢された“20代のリーダー”が、本物のリーダーになるために必要なこととは何でしょうか。それは、「部下や同僚に信頼されること」に他なりません。“人を動かすことは、人の心を動かすこと”。ノウハウやテクニックは、基本的な心構えがあって、その上で活きてくるものなのです。本書は、その根本となる教えがぎっしり詰め込まれた一冊です。若手リーダー必読の書。