新刊ラジオ第1279回 「2011年 本当の危機が始まる!」
デフレに不安が叫ばれる昨今。その裏で「債券バブル」と「商品相場の異常な上昇」が見られている。この2つをキーワードに、ハイパー・インフレが日本に見舞われる危険がそこまで迫っている。世界はどうなるのか?日本人はどう対処すべきか?リーマン・ショックを的中させた経済予測のプロの裏読み、再び!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
真性インフレの予兆
● 著者について 朝倉慶さんは経済アナリストの方で、顧客向けに発行するレポートで予測された経済動向が、ことごとく的中していることで注目を集めています。船井幸雄さんが著書のなかで「経済の超プロ・K氏」として紹介したことでも知られています。 (新刊ラジオでも第821回に『恐慌第2幕』という書籍を紹介しました!)
● この本のテーマは?! 「経済予測のプロが語る、世界を襲う真性インフレの予兆を解説する」
朝倉さんは、2011年、巨大なインフレの波が訪れると予測しています。様々なデータや経済の動向から予兆を見極め、さらにその結果どうなるのかということについて、全6章にわたって解説しています。
第1章 日本国債の暴落は、ある日突然やって来る! 第2章 2011年、商品相場の高騰が日本を襲う! 第3章 ユーロ「モザイク通貨」の崩壊は止まらない! 第4章 市場を操るヘッジファンドと欧米投資銀行 第5章 世界の債券王はインフレの襲来を知っている! 第6章 世界マネーを裏で牛耳るFRBのシナリオ
焦点が当てられているのは、特に、「国債――債権バブル」というものについてです。日本・ヨーロッパ・アメリカの国債は、すでに取り返しのつかないほどに膨れ上がっているという現状が明らかにされています。
インフレはもうそこまで来ている?
感覚として、牛丼チェーンの安価さみていると、このデフレが叫ばれる日本にインフレがそうそう来るのか? と疑問に思ってしまいます。しかし、専門家の視点で現状を見渡すと、“ハイパー・インフレ”の芽は世界の様々なところで現れ始めています。
例えば、1章で取り上げているのは「国債」「債権バブル」という問題です。 今、民間銀行と保険会社は国債を買っています。それは、「先のリーマンショックで株式投資が不調なので、他に投資先がないから」というのが理由です。そして、国債は安全であるという風潮があるからです。
しかし、日本の税収は37兆円なのに対して、借金が1000兆円という現実があります。そして、日本の10年物国債の金利は1%、20年物は2%弱です。
あなたは収入の30倍もの借金がある人に、10年1%でお金を貸しますか? 日銀がお金をジャブジャブと刷って、日本の金融機関が国債を買うということは、そんな人に積極的に無尽蔵にお金を貸しているのと同じなのです。そんな状態が続けば、どこかで破綻をきたし、紙幣価値の下落が突如として訪れます。 つまり「インフレ」です。
2章では「商品相場」について検証しています。 最近よく耳にするレアメタルは、中国が多く保有しています。日本では、尖閣諸島問題からレアメタルの輸出停止という動きまでありました。
レアメタルはハイブリッドカーのモーター・携帯型音楽プレーヤーなど、様々な分野で使われていますから、これが輸入できないとなると日本の産業は大打撃を受けます。しかも勢い著しい新興国、中国自体もこのレアメタルを必要としています。 レアメタルが入手できなくなれば、当然製品の値段は上がります。やはりインフレの火種を抱えているのです。
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