新刊ラジオ第1271回 「将棋をやってる子供は、なぜ「伸びしろ」が大きいのか?」
将棋にある3つの礼。「お願いします」「ありがとうございました」。そして自ら負けを宣言する「負けました」。負けの責任を自分で認める心は、様々な教育的効果をもたらし、人間として成長していく力になる。礼儀作法、根気、論理性、決断力―将棋を通じて育まれる子供の成長を紹介した一冊です。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
将棋をすると人間の器が大きくなる
● 著者について
安次嶺 隆幸(あじみね・たかゆき)さんは、日本将棋連盟学校教育アドバイザー。私学教育研究会(あいすの会)主宰。将棋ペンクラブ会員。幼い頃にプロ棋士を志すも合格することができず、私立暁星小学校教諭に着任しました。教師になってからも将棋の世界と関わりを持ち、名人羽生善治さんとも親交の深い方です。
● この本のテーマは?! 子供の豊かな人間形成のために、日本伝統の知恵が凝縮された将棋メソッドを紹介する。
1章 「日本文化の特徴である『型』から学ぶ」 2章 「対局の『心構え』から学ぶ」 3章 「勝つための『戦略』から学ぶ」 4章 「『戦術』の知恵から学ぶ」 5章 「一局の体験を通して学ぶ」
ひとつの章ごとに、将棋メソッドとそこから育まれる心や力が紹介されています。 将棋が子供の教育に役立つのかと疑問に思うかもしれませんが、あなどることなかれ。礼に始まり礼に終わるという「作法」、時間内に手を打たなければならないという制約の中で高まる、「思考力」と「判断力」、そしてそれを持続していく「集中力」など、 どれをとっても成長過程にある子供にとって大事なことであり、大人になってからでは身に付きにくいスキルなのです。
そして、将棋の試合は、「負けました」と自ら宣言しなければ終わりません。将棋は運の要素が絡まない遊戯なので、その一手一手が自分の責任です。その、自分自身で積み上げたものが及ばなかったときに、負けて悔しい思いを、折りたたんで、折りたたんで、「負けました」と、宣言し、素直に負けを認めることは高い精神性が求められるのです。
本書は、そのような将棋が持つ健全な人間形成力を、わかりやすくメソッドに仕立てた“新教育術”を提示した一冊となっています。
今日の新刊ラジオでは・・
矢島・石橋の“将棋談”です!(クリックで再生)
将棋をやってる子供は、なぜ「伸びしろ」が大きいのか? |