新刊ラジオ第1266回 「これから24時間でかならず成長する方法」
「がんばっているのに成果を出せない…」という人は、仕事をする上での基本的な考え方が身についていないのかもしれません。「成果」というものは、実践することで自分が成長したその先にあるものです。本書は、問う・考える・決める・実行する・巻き込む・学ぶという6つの力を通して成長し、「働いて、成果を出す」という、根本的な能力を向上させるため一冊です。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
成長へのいちばんの近道がわかる
● 著者について 生田知久さんは、株式会社ハッピーバースデイ代表取締役。1978年生まれ。横浜国立大学卒業。研究分野は、心理学、コミュニケーション論、脳科学などで、それらをベースに、共感コミュニケーション研修、発想法研修、タイムマネジメント研修、加速学習などの研修を手がけています。2010年10月現在で受講者数は述べ50000人を越える人気のセミナーとなっています。
● この本のテーマは? 今回の本は、まさにタイトルの通り、「これから24時間でかならず成長する方法」を伝えてくれる内容です。営業やマーケティングといった業務スキルの向上ではなくて、「働いて、成果を出す」という根本的な能力を向上させるための方法が書いてあります。
仕事で成果を出せない人に対して、生田さんはこのようなメッセージを送っています。
本書は24時間で成長し、自分を変えるための本です。書かれていることを実践すれば24時間後には昨日までとは違う自分と出会えるはずです。 なぜ、今までどんなノウハウ本を読んでも自分を変えられなかったのか? それは、実践に移してこなかったからです。 「なるほど、わかった」「いつか実践しよう」そう思い続けて、ここまで来たのではないでしょうか?今こそ、変革のときです。この24時間をチャンスの24時間にしてください。 世間は不景気で経済成長も期待できません。 しかし、あなたが成長するかどうかはあなた自身にかかっているのです。 本書はそんなあなたを全面的にバックアップします。成長したくて、成果を出したくてたくさんビジネス書を読んではいるけど、「一向に成長した気がしない・・・」「成果を出せるようにならない・・・」という方は、もしかしたら成果を出すための“基本的な考え方”がまだ身についていないのかもしれません。
この本には、そういう成果を出すための基本的なものの考え方が書かれているので、成長を実感できていない方には、ほんとにおすすめです!!
本書の幹となっている考え方のサイクルがあります。 「問う力」「考える力」「決める力」「実行する力」「巻き込む力」「学ぶ力」この6つです。 これをPDCAサイクルみたいに回していくことで、成長していけるというノウハウでした。
今回は、「問う力」について紹介します。
自分を変えていける人は、常に自問自答している人
生田さんは、「自分を変えていける人は、常に自問自答している人」だといいます。
結果を出すには、自ら考え、自ら行動することが大切ですが、考えるには、「問い」が必要であり、良い答えが出るかどうかは、「良い問いかけ」ができるかどうかにかかっています。パフォーマンスを発揮できない人は、「自問自答」が圧倒的にできていないのだそうです。
問いかけができないと、頭に浮かぶのは、「どうしよう・・」ということば。 「どうしよう」は、問いはなく、「困っている」だけの状態です。 これでは、前にすすむことはできません。
「どうしよう」から、一歩前に進むには、「では、どうすればいいか?」と、「問い」に変換することです。
「明日接待で飲み会があるんだけど、初対面の人がどうも苦手で・・・」 これを、問いに変換すると、 「どうすれば初対面の人と打ち解けられるのか」となります。
すると、まず、「どうしよう・・」と困窮した状態から、解決策を見つけようとするところまで一歩進みました。 テクニックとして、ノートや紙に、答えの部分を空欄にして、問いかけを文章にしてみるのも効果的なんだそうです。
「今日は接待飲み会がある。初対面の人と打ち解けるには、○○○すればいい。」 っていうふうに。 脳は空欄を埋めようとしたがるので、答えを出そうと思考が活発になるそうです。
それでは、問いかけができたら、次は思考を進めていきます。
思考の進め方
思考を進めるには、「では」が効力を発揮します。 特に、ここでのポイントは、「では、どうすればいいか」を、「では、今できることは何か?」と、思考を前に進めて考えることです。すると、どんどん具体的になってきます。
「今日は接待のみがあるが、初対面の人と打ち解けるために、今できることは?」 ・そういえば、髪、ボサボサだ。好印象を持ってもらうために散発に行こう。 ・参加者の趣味の話を引き出して、相手に中心にしゃべってもらおう。 ・接待の場所は六本木だから、六本木にまつわる小話でも仕入れておこうかな。 ・お土産のひとつでも用意しておいたほうが打ち解けやすいだろうな。
このようにして、「こまった・・」だけの状態から、「では、どうすればいい?」「では、今できることは?」と、思考は進んでいくのです。
反対に、こんな思考パターンもあります。 会社や、自分としての目標が明確にある場合は、未来から逆算して「いまとるべき行動」を明確にします。
たとえば、「営業で月に100万円分を受注する」という目標を立てたとしたら、がむしゃらに行動しても、フィロソフィーもソリューションもないのでうまくいきません。
まずは、「なぜ」の問いかけで、モチベーションをあげます。
なぜ100万円なのか?99万円ではなく、100万円なのか? 100万円を達成すると、会社から報奨金が出るから。だから、達成したい。このように同期付けすると、達成した先の未来が見えるのでモチベーションを維持できますね。
そして、行動を明確にするために、「そのためには」という問いかけで考えます。 「営業で月に100万円分を受注する」 ・そのためには、既存顧客だけではなく、新規顧客の開拓もしよう。 ・そのためには、新規顧客先のピックアップをしよう。 ・そのためには、業界関係者のあつまるパーティに参加しよう。 ・そのためには、催しに詳しい部長に相談しにいこう。 ・じゃあ、まずは部長のスケジュールを抑えよう。
という具合に、ブレイクダウンしていくというわけです。
「では?」は、今起きている出来事から、未来を想像する接続詞。 「そのためには?」は、未来から今を逆算する接続詞。
今の行動と未来のイメージをつなげるには、「では?」「そのためには?」のたった2つをマスターすればいいのです。
全章総ざらい
今回は、「問う」の部分を紹介してきました。 続きの章ではこんなことが紹介されています。
「考える」4時間 “どう考えるか”をテーマに、“すぐに”アウトプットする方法や、“すぐに”考える力を向上させるすべを書いています。
「決める」4時間 考えたものごとを“前に進める”ためのノウハウを書いています。「選択肢を絞る」「できる/できない ではなく、やる/やらない で判断する」というように、とにかく“形にする”ためのノウハウです。
「行動」の4時間 生田さんは、成長するか否かは「行動力」で一番差がつくといっています。もやもやしたものを行動にブレイクダウンすることや、限られた時間でいかに効率的に行動の成果をものにするか、ということについて書いています。
「巻きこむ」4時間 自分の成長を手助けしてくれる人をつくるためのちょっとしたコツや、自分を応援してくれる、共感してくれる人を増やす技術についてかいています。
「学ぶ」4時間 今までの教えから「問いかけ、考え、決断し、行動し」てきたことで、かなり考え方は変革されてきていると思いますが、ここでは、さらに高みにのぼるための、生田さんからの最後の教えが書いてあります。
本書は、短時間で成果を出すための基本的な考え方を体系立てて解説された本でした。主張が明快でとても読みやすく、実践しやすい内容になっています。
この本を読むと、今まで読みっぱなしになっていたビジネス書からの教えに再び気づいたりするかもしれませんよ。
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成長する考え方の、基本!! |