新刊ラジオ第1260回 「これからの思考の教科書 〜論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方〜」
ベストセラー「はじめての課長の教科書」の著者の新刊は、ビジネスパーソンが成果を出すために身につけるべき「ビジネス思考」の全てを明らかにしたものです。ビジネスマンにとって「思考力」は、「生き抜くために必要不可欠なもの」。ビジネス社会で勝つために必要なことは何なのか?その答えは「思考力」の差別化にありました。その差別化とはいったい・・。
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斬新で飛躍的のあるアイデアを生む思考法
● 著者について 酒井穣さんは、1972年東京生まれ。フリービット株式会社、戦略人事部ゼネラルマネージャー。大学卒業後、商社にて新事業開発などに従事。オランダの精密機械メーカーに転職しオランダに移住。2006年末に各種ウェブ・アプリケーションを開発するベンチャー企業である、J3 Trust B.V.を創業し、最高財務責任者として活動。2009年春に、フリービットに参画するため、8年8ヶ月暮らしたオランダを離れ帰国。著書はアジア各国で翻訳出版されています。
酒井穣さんというと、「はじめての課長の教科書」の著者としてご存知の方も多いかと思います。今回の本は、“思考法”を学んでいこうというものです。
酒井さんはいいます。 「現代のビジネスをうまく進める上で、決して欠かせないのが“ロジカル・シンキング(論理的思考)”です。ロジカル・シンキングのスキルは、もはや世界ビジネスにおける常識的なスキルです」
ロジカル・シンキングとは、「“同じ事実が与えられれば、ほとんど何も考えなくても、同じ結論を導くことが出来る”」スキルのことです。厳密にいうと、同じインプットから同じアウトプットを出すためのスキルといえます。
本書では、このロジカル・シンキングを解説するところからはじまっていきます。 しかし、ロジカル・シンキングさえできればそれで十分なのかというと、そうではないのです。
みんなが同じ情報を手に入れて、同じような結論を出してしまっては、どこの会社も同じアウトプットがでてしまう、ということになってしまいますね。すると、世の中に同じようなもの、同じようなことばかりが溢れてしまいます。つまり100人がいれば、100人が同じものしか見いだせないということです。 それでは、個人も、会社も生き残れません。
では、どうしたらいいのでしょうか。 そこで、次にラテラル・シンキング、インテグレーティブ・シンキングというものが必要となってくるのだと、酒井さんはいいます。
インテグレーティブ・シンキングの基礎
ラテラル・シンキングとは、ロジカル・シンキングだけからでは難しい、斬新で飛躍のあるアイデアを生む思考法のことです。 そして、インテグレーティブ・シンキングとは、対立する2つのアイデアの一方をすんなりと選んだりはせず、対立するポイントを同時に受け入れるような、より優れた第3のアイデアを生み出す思考法のことです。
本書では、ロジカル・シンキングの基礎をベースに、ラテラル・シンキング、インテグレーティブ・シンキングを学んでいきます。これから生き残り、勝ち組のビジネスパーソンとなるためには、特にこのインテグレーティブ・シンキングが必要不可欠な要素だったのです。
インテグレーティブ・シンキングは、「最善の解決は、混沌の中から生まれる」という考えかたをベースにしています。
ロジカル・シンキングは、コンピューター的な思考法。ラテラル・シンキングは、人間的な創造的な思考法です。この2つをベースに、さらにその先のより優れた第3のアイデアを生みだすのが、インテグレーティブ・シンキングです。
ビジネスの世界では、商品を開発したり、新しい企画を考えたりしますよね。そこでは他者との差別化、勝つためのカギとなります。そのときに意見の食い違いや対立が起こってきます。そのときにどちらか一方を選ぶのではなく、その違った意見を踏まえたうえで、新たなアイデアを生みだす。これがインテグレーティブ・シンキングです。
どれかひとつではなく、いくつかの選択肢のなかから、最善の方法を考えだすといことなのです。
これからの思考の教科書 |