だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1154回 「科学との正しい付き合い方―疑うことからはじめよう」

科学の嘘をバッサリ斬り!! 私たちの日々の生活は科学によって支えられていますが、その科学って本当に全てが正しいのでしょうか? 文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた著者が、科学リテラシー=生活リテラシーと題し、読者に豊かな生活をお届します。

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科学によくある3つの誤解

誤解1 「『科学離れ』が進んでいる」ってホント?

内閣府が実施した「科学技術と社会に関する世論調査」の結果、 「科学技術についてのニュースや話題に関心があるか?」という質問に対して、 調査当初の1976年当時は「関心がある」61.3% その後は、1986年に最低に落ち込み「関心がある」47.5%を記録して、 2007年には「関心がある」と答えた人が61.1%まで盛り返しています。 これを見てみると、科学離れではなく、「関心はあるけど、なぜか縁遠く感じる」という人が現代のスタンダードのようです。

誤解2 「もともと『科学アレルギー』の人は多い」ってホント?

著者曰く、科学に対する、『アクセルペダル』と『ブレーキペダル』が存在するそうです。

【アクセル】 大阪の科学万博、アポロ11号、学研の科学、鉄腕アトムやガンダム、エヴァンゲリオンなど……。

【ブレーキ】 将来の仕事に役に立たない、理系科目の勉強が苦痛、教える人、科学に対してのガッカリ感など……。

この【アクセル】【ブレーキ】ペダルと、どう遭遇するかによって、科学に対する印象は変化するとのことです。

誤解3「科学は、身近ではない」ってホント?

朝起きてから出かけるまでに、実は私たちは科学に囲まれて活動しています。 時計、トースター、テレビ、電動歯ブラシなど、科学があふれています。 現代は、科学が身近すぎて、気付きにくいだけなのです。

疑似科学マーケティングの嘘

化粧品、雑貨などの商品に「イオン」「波動」「ゲルマニウム」「ヒアルロン酸」などといった言葉が付いていると、無条件で「ああ、いいものなんだな」と思考を停止させてします事はありませんか?

しかし、実際は科学的な実証が無いものだったり、成分的にはほんの少ししか入っていなかったりするものが多いのです。あるテレビ番組において、「納豆がダイエットにいい」と放送されると、捏造データにもかかわらず店頭から納豆が消えたのも記憶に新しいかと思います。

著者は、「日常生活の中でも、科学を理解し、活用し、科学と正しく付き合うには、まず疑うことが大切だ」と注意を促しています。

科学との正しい付き合い方―疑うことからはじめよう

科学との正しい付き合い方―疑うことからはじめよう

科学の嘘をバッサリ斬り!! 私たちの日々の生活は科学によって支えられていますが、その科学って本当に全てが正しいのでしょうか? 文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた著者が、科学リテラシー=生活リテラシーと題し、読者に豊かな生活をお届します。