戦略コンサル・BCGが生んだ天才が教える「あなたが変わる」のためのスキル
変える技術、考える技術

変える技術、考える技術

著者:高松 智史
出版:実業之日本社
価格:1,650円(税込)

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本書の解説

仕事で思ったように成果が出ない。なかなか評価されない。失敗が続いている…。
もしそんな状況なら、自分の普段の行動を見つめ直して、変えるべきところは変えた方がいい。

行動を変えれば、結果も変わる。そんなことはわかっている。でも、その「行動を変える」が難しいのだ。そう思っている人は多いかもしれない。

行動を変え、人生を変えるための7つのスウィッチ

『変える技術、考える技術』(高松智史著、実業之日本社刊)はそんな人のために、今日この日から自分の行動を変えるための「スウィッチ」を授ける。著者でありボストン・コンサルティング・グループでマネジャーを務めた経験もある高松智史さんによると、行動は「一瞬」で変わる。

 ・愛と想像力
 ・チャーム
 ・答えのないゲーム
 ・脱・フレームワーク
 ・二項対立
 ・論点
 ・示唆


この7つのスウィッチを抑えるだけで、行動はすぐに変わるというのだ。

「愛と想像力」はすべての基本である

最初に挙げられている「愛と想像力」。相手への愛と想像力は仕事の基本でもあり、人生の基本でもある。つまり、すべての基本だ。
たとえば、何か用があり電話をした時に、たまたま相手が出なかった時、「またかければいいか」とそのままにしてしまうのは、高松さんによると「ポンコツ」。意外とこういう人は多いようだ。

あとで着信履歴に気づいて、「もしかしていいニュースかな?」と期待するおめでたい人はいないだろう。たいていは「何かあったのかな?」「なぜメッセージではなく電話なのか、もしかして大事?」など、考えうる最悪の事態を想像して気をもんでしまうことになる。

自分の残した着信履歴が相手の心理にどんな影響をおよぼすかは、少しでも相手への思いやりと想像力をはたらかせればわかるはず。着信履歴をつけたら、かならず要件をメッセージで送るのが「愛と想像力」というものだ。

もちろん、メッセージの内容も「愛と想像力」を全開で。
「お話があります」「あとで電話ください」などと送ってしまうと、相手がさらに不安になってしまう。

小さな話に思えるかもしれないが、一事が万事そんなもの。相手のことを思いやって、想像力をはたらかせるだけで、避けられるトラブルは多いものだ。

「チャーム」はロジカルシンキングより強い

仕事の実力に少々難があったとしても、かわいげのある人は周囲に愛される。「チャーム」は七難隠す。そして高松さんいわく、チャームも技術なのだそう。

チャームのあるなしは、誰かにアドバイスや教えを乞うた時にあらわれる。自分から教えてもらいにいったのに、最後に「参考になりました」と出てしまうのは「ポンコツ」だ。

たとえ教えてもらった内容がポンコツだったとしても、「勉強になりました」と返す方が断然かわいげがある。「参考になりました」だけではない。「なんだか報われないなあ」と思っている人は、一度自分の言葉遣いを見直してみよう。こういうところで損をしている人は少なくないのだ。

「仕事はできるけど、一緒に働きたくない奴」よりも「まあ、仕事はできないけど、プロジェクトに入れてあげるか」と思わせる人の方が最後には上に行ったりする。その意味で「チャーム」はロジカルシンキングより強いのだ。

ファクトだけで終わらず、価値ある「示唆」を

どんな仕事も、起点にあるのは「ファクト」だ。
ファクトに基づいて仮説を立て、実行し、結果として出てきたファクトを振り返り、次につなげる。

だからファクトが大事なのは間違いない。ただ、ファクトはどんな人にでも同じように受け取れるもの。そこで差はつかない。仕事で差がつくのは、ファクトから導き出せる示唆である。

ファクトを把握するところで止まっている人の発言は退屈だが、ファクトから示唆を導き出すことに長けた人の発言は鋭く、説得力がある。たとえ的外れであってもファクトから示唆を見出して発言する気概を持つこと。そして最初はうまくいかなくても、それを実践し続けること。そうすれば、周りからのあなたを見る目は変わっていくはずだ。



ここでは高松氏が挙げる7つのスウィッチの一部を紹介したが、「答えのないゲーム」「脱・フレームワーク」「二項対立」「論点」の解説からも、ビジネスパーソンにとって大きな気づきがあるはず。『変える技術、考える技術』には、行動を変えるために即効性のある「スウィッチ」がまだまだ数多く紹介されている。

行動を変えるのは一瞬で済む。ならば変えるのは今だ。本書を読めば、今すぐ、何をすればいいかがはっきりわかるだろう。

(新刊JP編集部)

インタビュー

■知らないうちに損をしている人たち

『変える技術、考える技術』は私自身も改めてわが身を振り返るといいますか、高松さんのいう「ポンコツ」になっていないかと不安になる本でした。若手だけでなく、マネジメントにかかわる人にとっても役立つ内容ですね。

高松: 岩瀬大輔さんの『入社1年目の教科書』のように、社会人5年目までの方々にはぜひ読んでいただきたいですし、そうした方々を部下やメンバーとして抱える課長、部長にも読んでいただきたいと思っています。読んでいただけたら、「当然、私はやっています」「あ、これはさぼりがちです」「これはマネさせてもらいます」のどれかを叫んでもらえると思います。

社会人としての「基礎の基礎」のところから実務に直接役立つことまで、仕事の本質的な部分が網羅されているように感じました。「こう使ってほしい」というお考えはありますか?

高松: 昨年からリモートワークをする人が増えて、上司と部下の物理的な距離が遠くなりましたよね。上司からしたらそれまでのように、部下に直接指摘するということがしにくくなりましたし、自分たちが上の人に口うるさく言われて身に着けてきたことを、同じように今の若手に口うるさく言うと、嫌われてしまう。

でも、「これ読んでおいて」って本を渡すだけならラクですし、その後の議論の土台になります。そうやって「上司と部下の共通の教科書」として使っていただけたらうれしいです。「この本でこう言っているし」ということで僕を味方にしてもらってもいいですし、「こう書いてあるけど、俺たちはもっと進化させてこうしよう」という使い方もすばらしいと思います。

本の内容を踏まえて、さらに議論を重ねて発展させていく使い方ができるんですね。

高松: そうです。読んでほしい人としてさらにつけ加えるなら、これから社会に出る大学生にも読んでいただけたら、プラスになることは大きいと思います。社会人になったスタートの時期に、上司や先輩から「こいつ、よく気がつく奴じゃん」と思われたらその後のチャンスも増えますしね。

たとえば他の会社に行ってお茶を出された時に、ちゃんとしている人は片づけをして帰るんですけど、人によっては飲みっぱなしで雑に置いていく。やはりそこで人柄が見えてしまうし、相手からの印象も変わるんですよ。こういうところで損をしている人って意外に多いんです。

今のお話のような仕事以前の基本的なマナーに属することから、実務的なことまで、高松さんはどのように身に着けていったのかというと、師匠にあたる方や先輩、後輩のふるまいをマネされたそうですね。

高松: できる人ってそもそも意識しなくてもできるんですよ。その部分を自分なりに言語化して知識としてストックしていました。

たとえばコンサルティング会社で働いていた頃、クライアント先にタクシーで移動することが多かったのですが、当時BCGがあった赤坂見附から八重洲のクライアント先までタクシーで行って、どこでタクシーを停めてもらいますか、となったときに、受付の前にドーンと停めてもらうと、「おまえらウチのお金でタクシー乗って来るわけ?」って思う方もいるかもしれないじゃないですか。相手先の方の中には。

たしかに、あまり目立ちすぎるとよく思わない人はいそうです。

高松: タクシーで行くこと自体は必要なことなんです。電車の中でクライアント企業の機密情報を話すわけにはいかないじゃないですか。

なのですが、タクシーで受付の前まで行ってしまうとよく思わない人もいると。そんな時、想像力のある人は相手先のオフィスの50mくらい前で停めてもらって、歩いていく。

こういうことって、できる人は何も考えずにできるんですよ。無意識にやっている。そういうのを見て「これいいな、やってみよう」となった時に、言語化して残しておくということをしていました。たまってきたら携帯の待ち受け画面にしたりね。

タクシーのエピソードは、今回の本でいう「愛と想像力」についてですよね。こういうことは、できそうで意外とできない人が多いのかもしれません。

高松: そのとおりです。この本の0章や1章はこういうちょっとしたことで仕事は変わるよというのがテーマになっています。「報われてないな」と自分で思っている人は、この章が役立つはずですし、自分がされてうれしかったことも嫌だったことも言語化して、それをストックしていくことが大切です。それが自分の行動を変える第一歩になるので。

無意識に相手が心地よく感じることをできる人は、何が違うのでしょうか?

高松: 親のしつけもあるのでしょうけど、それ以上に周りの人に怒られた回数とか、怒られた時になぜ怒られたのかを言語化して考えられてきたかというのが大きいと思います。いずれにしても、こういうことは後天的に身につけることができる「スキル」です。決して「センス次第」でも「親のしつけ次第」でもないと思います。

「愛と想像力」という言葉を頭に入れておくと、確かにあらゆる行動が変わる気がします。目上の人に対してはある程度自然に愛と想像力がはたらくような気がしますが、下の人に対してはかならずしもそうではありません。高松さんご自身、目下の人や立場が下の人に対してどのような「愛と想像力」の行動をしていますか?

高松: 「時代遅れ」にならないようにすごく意識しているんですよ(笑)。そのためには若い人のセンスはすごく貴重で、彼らの感覚を大事にしないといけない。「自分の時代」がすべてだと思っている人が何か新しいサービスを生み出すのは無理なので。

じゃあ、彼らの感覚をどうやって知るかというと、接触するしかないじゃないですか。こちらは教えてもらう側ですから、年下の人を食事に誘う時は「ごちそうさせてください」って言いますよ。

普通は「ごちそうしてあげるよ」なのに「ごちそうさせてください」なんですね。

高松: 「ごちそうしてやるよ」って言っちゃう人はポンコツです。誰だって上司と食事するのって気が重いじゃないですか。目上の人と食事するのってみんな基本的に嫌なんですよ。そこをまず理解しないと。

だからこそ、「ごちそうさせてください」なんです。言葉尻だけの話ですけど、相手の気持ちってけっこうそこにひっぱられたりするので。たとえ自分の方が立場が上でも、時代の先端の話を聞かせてもらえるのですから「ごはんを一緒に食べさせてもらっている」くらいがちょうどいいんですよ。

周りの人に愛されるための「チャーム」も大切ですよね。仕事の実力はさほどではないけれど「この人のためなら力を貸してやろう」と周りに思わせる人もいて、そういう人には例外なく「チャーム」があるものです。

高松: たとえば人を動かすとき、すべてロジックで説明して説得してもいいんですけど、ロジック抜きで「まあ、あの部長が言うなら、いっちょ乗ってみっか」と思わせるのも大事なビジネススキルであって、それこそが「チャーム」の力です。

チャームは、言い換えるなら「ファンを作る力」です。だから「お金を稼ぐこと」にも直結するスキルだと思います。

ただ、「チャーム」は経験を積んで自信がついてくると忘れがちな気がします。高松さんがチャームの大切さに気づいたエピソードがありましたら教えていただきたいです。

高松: 高校時代に「ウィニング受験英語」っていう英語の塾に通っていたのですが、大学生になってから、その塾のチューターのアルバイトをしたんですよ。

男女5人ずつチューターがいたんですけど、男性陣の5人の中の2人が強敵で、慶応に行っていたイケメン男子と、元総理大臣の一族でものすごく頭が良くて東工大に行っていたもう一人。彼らを見た時に「俺、勝てなくない?」と思ったんです。

どうやってこの同期の中で秀でるかを考えた時に、「ユニークさ」であり「周りの人からかわいがられる性格」なんじゃないかと。それで次の日から髪の毛を金髪にしたんですね。金髪で一見不真面目そうなんだけど、めちゃくちゃ礼儀正しくて生徒の親御さんの受けがいいチューターになろうと。それが「チャーム」を意識しはじめた瞬間でした。

「チャーム」と一言でいっても、正解は一つではなさそうですね。高松さんのように「金髪」と「まじめさ」のギャップを見せることも正解でしょうし。他のやり方もありそうです。

高松: そうですね。生意気だけど愛される人もいるじゃないですか。チャームは十人十色だと思います。

大事なのは大多数のふるまいに当てはまる「標準」を知ることだと思います。それを知ったうえで自分なりに「ズラす」と、周囲から引き立つユニークさが出るのではないでしょうか。もちろん、人に迷惑をかけるようなズラし方はダメで、そこは周囲の人への「愛と想像力」を持ってやっていただきたいですね。

■「フレームワークバカ」「打ち手バカ」「Taskバカ」に注意

「フレームワーク=制約」という意見は新鮮でした。制約は取り払って考えた方がいいに決まっているのに、この本で「フレームワークバカ」と指摘されているように、ビジネスの現場ではとかくものを考える時にフレームワーク的な思考がされがちなのが不思議です。

高松: 端的にいえば「教えやすい」ということだと思います。これがこの本で一番言いたいことでもあるのですが、ビジネスって「答えがないゲーム」じゃないですか。ここまでのお話にあった「愛と想像力」にしても「チャーム」にしても、その人なりのやり方があるわけで、正解や公式のようなものはありません。

一方で、フレームワークって「4P」とか「3C」とか、一見答えがあるように見えるし、明快に見える。だから使いやすいし広がりやすいんだと思います。

ただね、コンサルティングファームではフレームワークなんて使わないです。

そうなんですか? そもそもコンサル業界から広がった考え方だと思っていました。

高松: 僕はBCGに8年いましたけど、ほとんど使ったことがないです。たとえばハーバード大学を出てBCGに入ってきて、最初のミーティングで「ファイブフォース分析で…」なんて言ったら、シーンとするでしょうね。そのくらい使わない。

答えが出ているものに対して整理する時には使うかもしれませんが、少なくともあれは何かを考えたり生み出すためのものではないですよ。何かを生み出すのに使っても「ホームランは絶対打てないけどヒットを打つ可能性は少し上がるかもしれないね」くらいの効果しかないです。制約を設けたほうが考えやすいこともあるので。でも、それで出てきたアウトプットの質なんて知れています。

「フレームワーク」と同じように広まっているもので「ロジカルシンキング」もありますけど、あれもゴミです。いらない。

「フレームワーク」にしても「ロジカルシンキング」にしてもそうですが、わざわざ思考に枷をはめるようものが広まっているのは日本特有のことなのでしょうか。

高松: 特に日本とか韓国はその傾向が強いとは思いますが、日本特有かというとそうではないと思います。ただ、フレームワークにしてもロジカルシンキングにしても、「問い」よりも「答え」に価値が置かれる社会に相性がいいとは思います。

「ビジネスは答えのないゲーム」という、この本のメッセージにつながるお話です。答えに価値を置くことに慣れすぎると、答えのない世界でどう動けばいいのかわからなくなりそうです。

高松: 最低限「自分は答えのないゲームをやっている」ということがわかっていればいいんですよ。そこがわかれば行動は変わります。

たとえば、これからYouTubeを始めようというときに、今現在登録者1万人いる人を見つけて「どうやったらうまくいくんですか?」といきなり聞く人は「どこかに答えがあると思っている人」です。こういう人は救いようがない。だけど、誰にでも当てはまるような答えがないことがわかっていれば、もっと別のアプローチをとりますよね。

答えだとか攻略法とか裏ワザがあって、誰かがそれを持っていると考えるのは、ビジネスにおいてはまちがいです。

「打ち手バカ(課題を深掘りせずに施策から考えてしまう人)」「Taskバカ(同様にタスクから考えてしまう人)」の話は思い当たることが多かったです。こうした人たちはなぜ生まれてしまうのでしょうか?

高松: それはバカだから、というのは冗談で、やはり先ほどのお話にあったように「答え」が好きなんでしょうね。

あるモテないAさんにどうやったら恋人ができるのか、というときの「打ち手バカ」の思考は「マッチングアプリやろうぜ」で、「Taskバカ」の思考は「Aさんの過去の恋人について聞く。そのあと、友達にも話を聞く」です。でも、これって全然ダメですよね(笑)。

本当なら、「今現在Aさんは恋人を作るためにどんな活動をしているのか」「それがなぜうまくいっていないのか」「そもそも恋人は必要なのか」などなど、現状に対しての問いを立ててからやるべきことを考えないといけません。「問いを持った部族は生き残ったが、答えを持った部族は滅びた」というネイティブ・アメリカンのことわざがあるように、本当に大切なのは問いの方なんですよ。

「答えのないゲーム」だからこそ「いかに本質な問いをたてるか」がキモになるわけですね。

高松: そうなのですが、これは難しいことです。いい問いというのは、クライアントなり、友達なり、恋人なり、関係する人についてリアリティをもって考えることでしか到達できません。そこで結局は「愛と想像力」に戻るわけです。

ビジネス書の読み方についてのお話で、「読書は価値観を醸成するためのもの」というのが新鮮でした。知識を得るために本を読む人が多いなかで、読書を通して価値観を醸成するためにどんなことをすべきでしょうか。

高松: 価値観とはその人の生活に根差したものです。だから「自分の生活でいうところのこういう話かな?」というように、実生活と照らし合わせながら咀嚼することが大切です。

本を読みながらメモを取る人がいますが、そこがないとメモを取っても意味がないですし、実生活と紐づく気づきが得られたら、メモなんて取らなくても記憶しますよ。

本を読みながらメモを取る人は、旅行に行ったり食事に行くとなんでも写真に撮る人に似ています。どちらも、見たものを記憶するためにやっているようでいて、実は記憶を自分の頭の外に保管することで、むしろ記憶をしないようにしています。そうすると自分の中の他のものと混じり合って変化することがないんですよね。それはもったいない。

ファクトにこだわりすぎて「示唆」が抜けてしまうというのもありがちです。もちろんファクトはファクトで大事なわけですが、そこから示唆を導き出すための訓練方法についてお聞きしたいです。

高松: 僕が教えている「考えるエンジン」講座に来てください、というのは冗談ですが、ファクトから示唆を出すって難しいですよ。コンサルタントでもほとんど理解できていません。

ただ、日常で訓練することはできます。下世話な話ですが、彼氏が携帯電話を裏返して置いていたら「浮気しているのかな」と考えたりするじゃないですか。それだってファクトから導き出される示唆です。そうやって見たものからあれこれ想像してみる訓練をしてみるといいかもしれません。

そしてもう一つ、誰かの話を聞くときは「これはファクト、この部分は示唆」というように区別して、ファクトと示唆の線引きをしてみるのも訓練になるはずです。

最後に、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

高松: まずは若い部下を持つ上司の方は、部下に口うるさく言うよりも、この本を部下に渡していただきたいです。そうすれば部下から煙たがられることもないですし、仕事の仕方について部下と議論を深める土台になります。もちろん、書いてあることが違うと思ったら、大いに僕を悪者にしていただいて構いません。

そして若手社会人の方は、東大理3を出ているようなトップクラスの頭脳を持つ人以外は、この本に書いてあることをひとまず暗記して実践しなさいと言いたいです(笑)。地頭で勝てなくても、この本にあるスウィッチのところを実践していけば、絶対勝負できるので。

僕もBCGに入った頃は「採用ミス」と言われていたくらい優秀ではなかったのですが、優秀な人から学んだことを言語化して実践することで、最終的には優秀な人よりも秀でることができました。仕事って「センス」や生まれ持ったものでは決まらないんです。

世の中には「天才」と言われる人がいますけども、そういう人のほとんどは「スキル」で超えることができます。この本にはその「スキル」を詰め込んだので、ぜひ実践して天才を超えていただきたいです。

(新刊JP編集部)

書籍情報

目次

  1. 「変化」のキーワードは「スウィッチ化」
  2. 全てはここから始まる「愛と想像力」
  3. なにがなくとも「チャーム」
  4. 戦い方が異なる「答えの無いゲーム」
  5. ポンコツの誤解ーフレームワーク、MECE、因数分解、ロジック
  6. 本質を見抜く「二項対立」
  7. タスクバカ/打ち手バカからの脱却、「論点バカ」
  8. ファクトではなく「示唆(SO-WHAT)」

プロフィール

高松 智史(たかまつ・さとし)
高松 智史(たかまつ・さとし)

高松 智史(たかまつ・さとし)

一橋大学商学部卒。NTTデータ、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て「考えるエンジン講座」を提供するKANATA 設立。本講座は法人でも人気を博しており、これまでアクセンチュア、ミスミなどでの研修実績がある。BCGでは、主に「中期経営計画」「新規事業立案」「組織・文化変革」などのコンサルティング業務に従事。YouTube「考えるエンジンちゃんねる」の運営者でもある。

変える技術、考える技術

変える技術、考える技術

著者:高松 智史
出版:実業之日本社
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