相手の顔色を気にしすぎてしまう性格の解決法とは
気にしすぎる、傷つきやすい、神経質になる。
そんな「繊細な性格」は一見、短所とみなされがちだが、実は長所にもなりえる。
この「繊細すぎる性格」の良さを紹介するのが『繊細すぎてしんどいあなたへ』(串崎真志著、岩波書店刊)だ。本書では、「怒っている人が怖い」「友だちの顔色をうかがってしまう」「匂いや音などに敏感」などの生きづらさを6つのタイプに分け、それぞれを紹介し、長所としていかに活かしていくかを具体的にアドバイスする。
■気持ちのバロメーターをチェックしよう
「人の顔色をうかがってしまう」のも、繊細な人の特徴の一つだろう。「こんなことを言ったらどう思われるか」「嫌われないか」と、人の目を気にし、気を遣いすぎるあまりに相手に合わせて、自分が窮屈な思いをして過ごしてしまう。
では、どうすればそうならないように済むのか。それは、気持ちのバロメーターを意識することだと本書。
頭の中で、両端に「楽しい」(100点)、「つらい」(0点)というラベルのついた目盛りを思い浮かべる。そして、今日の自分の気持ちを振り返り、「楽しい」から「つらい」の間で、点数で出してみる。
そして、この目盛りを、毎日50点以上をキープするように心掛ける。なぜなら、50点を下回ると、顔色をうかがってしまうことや人の目を気にしてしまうことが増えるからである。
■人間関係は2:6:2の法則で
ただ、そもそも繊細であるがゆえに、バロメーターが落ち気味になる。そのときの調整法は、「自分の見方」を少し変えること。人の顔色をうかがう背景には、人に嫌われたくない、好かれたい、という気持ちが強くある。だが、そもそも全員に好かれることはありえない。
そこで本書では「2・6・2の法則」を提案する。
これはその場に10人いた場合、以下のような法則が成り立つというもの。
・自分に賛成してくれる人は必ず2人いる
・逆に反対する人も必ず2人いる
・残りの6人はどちらでもない人たち
どんなに優れている人でも、2人は味方になってくれるけれど、2人からは嫌われる。そう考えれば、気持ちに余裕が生まれる。自分に味方してくれる2人と良い人間関係を築ければ、それで十分だと考えればよいと述べられている。
「繊細さん」には、物事を深くとらえる多感さがあることができる良さもある。繊細すぎて悩んでいる人は、本書から自分の良さに気づけるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)