『キラキラ共和国』小川糸著【「本が好き!」レビュー】
提供: 本が好き!前作、『ツバキ文具店』の終わり、ミツローさんと想いが通じ合って、なんと今回は人妻となったポッポちゃんの物語。
とはいえ、二人ともお店があるので、平日は別居婚。
週末はミツローさんと娘のQPちゃんの住むうちへ。
小学生になったQPちゃんは毎日ポッポちゃんのうちに帰ってきておやつを食べます。
今回も代筆の仕事は続きますが、物語のスタートは二人の結婚報告から。
なんと紙飛行機にして結婚報告の手紙を出しちゃうんです!
なんてステキなアイディアなんでしょう。
目が見えない少年から母の日にお母さんに渡す手紙の代筆を頼まれ、先代に母の日にカーネーションを贈ったのに、けちょんけちょんに言われた悲しい思い出を懐かしんだり、先代の手紙を見て、お茶を葉っぱから作ってみたり、酒乱の夫に対する三行半の代書を頼まれたかと思えば、その当の本人から離婚は考えなおしてほしいと返事を書いてくれと頼まれたり。
最近近くで目撃されているレディ・ババなる、ど派手メイクにど派手な服装、後ろから見ると若者のようだが前から見るとえらいおばさんでびっくりする、という変な人が、実はポッポちゃんを捨てた母親で・・・というような事件も起きたり、ほんわかと今回も物語は進んでいくのです。
そして。
ミツローさんの実家を訪れ、とうとう亡くなった奥さんのことが明らかに。
前作と同じく、今回も頼まれた代筆は、本の中でちゃんと手紙として載っているのですが、そんなこと、どうやって手紙に書くの?!
という難題もポッポちゃんは、うんと悩みつつ、相手の気持ちに寄り添って、素晴らしい手紙を書いて解決していきます。
文章って、本当に書くのは難しく・・・
昔はよく手紙を書いたのに、最近ではもっぱらメールとか、LINEとかで、もともとうまく書けなかったものが、滅多に書かなくなったことでさらに下手になってきている気がします。
たまには手紙、書いてみようかな。
読み終わったら、そんな気持ちになりますよ。
(レビュー:yuko)
・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」