だれかに話したくなる本の話

新型コロナウイルスで出回るフェイクニュース 見極めるための合言葉

『フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ』(笹原和俊著、化学同人刊)

新型コロナウイルスの影響で「トイレットペーパーが不足する」というデマがSNSで広がり、実際に店頭で売り切れが続出した。また、「4月1日にからロックダウンに入る」という情報も流れた。インターネットをチェックしている人ならご存じとは思うが、いずれも誤った情報だ。

SNSやネットで流れてくる情報の中にはもっともらしいものが多々あり、本当のところが分からずに漠然とした不安は募る。膨大な情報が飛び交うなかで、デマやフェイクニュースに惑わされないためにどう対処すればいいのか。

フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ

フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ

2016年、米国大統領選挙を契機に注目を集めるようになったフェイクニュースは、いかにして拡散するのか。本書ではこの複雑怪奇な現象を「計算社会科学」という新しい分野から読み解く。偽情報を信じてしまう人間の認知特性、その情報を拡散させる情報環境の特徴、情報過多と注意力の限界などの側面からフェイクニュース現象の全体像を描き出し、メディアリテラシーやファクトチェックによる対抗手段の有効性を検討。大量の情報が飛び交う現代、偽ニュースに惑わされないために必読の1冊!