一番向いている仕事って何? 自分の適職が分かる科学的手法とは
自分にとって、適職とは何か。不安定でも好きなことを仕事にするのか、安定志向で選ぶのもいいが、できるだけ理想と現実のギャップはなくしたいもの。
自分に合った仕事は何か?は社会人や学生にとって永遠のテーマだろう。自分にはいまいちわからない。でも他人の意見も決してあてにはならない…。
■進化する適職分析 知っておきたい3つの方法
一方、ここ30年ほどで、組織心理学やポジティブ心理学などの分野で「キャリア選択」に関する研究が進み、その精度も高くなり、科学的な統計データも信頼できるものになってきている。このデータと自分自身の価値観やライフスタイルを組み込めば、適職が選べるのではないか。
本書『科学的な適職』(鈴木祐著、クロスメディア・パブリッシング刊)では、サイエンスライターの鈴木祐氏が、科学的根拠に基づき、「キャリア選択」という正解のない悩みに答えを出す方法を解説する。
適職を選ぶには、どうすればいいのか。今の自分に最適な職を選ぶための3つの意思決定ツールがある。
1.プロコン分析
これは18世紀から存在する定番の意思決定法。プロコン分析のプロはラテン語で「pros(賛成)」、コンは「cons(反対の)」という意味。
「今の会社を辞めるべきか?」などの悩みを書き出し、その悩みについての「プロ(メリット)」と「コン(デメリット)」を」思いつく限り並べ、それぞれ点数を付け、プロとコンの合計点数でどちらにすべきか判断する。
2.マトリックス分析
感情に流されない客観的な判断力を上げる効果が高く、米軍の意思決定でも使われている技法。
「労働時間」や「通勤時間」など、仕事の幸福につながりやすい要素とそうではない要素を書きだし、それに対し、望む仕事の候補である会社の情報からそれぞれの要素に「重要度」と「重み」で点数をつけていき、判断する。
3.ヒエラルキー分析
統計学者のトーマス・L・サーティが、米国防衛省で軍縮問題に取り組んだ際に考案したテクニック。マイクロソフト社のソフト品質測定に使われていたり、世界中の大学で専門の教育コースがある分析法。
客観的なデータだけでなく、主観的な好みも判断材料にするので、適職探しにも向いている。
これら3つは、ビジネスや投資などの意思決定にも使われる手法だ。適職がわからずに悩んでいる人は試してみてはどうだろう。
仕事選びは人生を左右する大きな決断。人生では予期せぬことも起こるが、失敗しない確率を高めるためにも、科学的根拠に基づいた本書の適職選びの技法を用い、自分なりの答えを出してみる。後悔しないためにも、できる準備は十分にしておくことが大切なのだろう。
(T・N/新刊JP編集部)