ちょっとの違いが差を生む。デキる大人の言葉の選び方とは
言葉の使い方を少し変えるだけで、相手の受け取り方や気分も変わるもの。言葉選びひとつで、人間関係は良くも悪くもなる、というのは、会社や学校など集団の中にいると日々感じることである。
では、人間関係を良好に保つためにどんな言葉を使えばいいのか。
『一瞬で「信頼される人」になる! できる大人のことばの選び方』(松本秀男著、青春出版社刊)では、日本ほめる達人協会・専務理事の松本秀男氏が、言葉のちょっとした言い換えによって驚くほどの良い結果を引き寄せる60の実例を紹介する。
■「仕事ができるね」→「欠かせない人だね」
「〇〇さんは仕事ができるね」は、よく会社で使われるほめ言葉だが、悪く言えば「ありきたり」でもある。これを少し言い換えて「〇〇さんは欠かせない人だね」と言い換えてみよう。
「仕事できるね」は人と比べたほめ方である一方で、「欠かせない人」は相手の存在自体の素晴らしさを伝えてる言葉である。こちらの方がほめ方としてはより深く心に響く。なくてはならない存在であることを伝えることで、受け取る側は、自分がほめられている裏に「仕事ができない誰か」の存在を感じることなく、素直に自分に向けて言ってくれた言葉だと感じることができるのだ。
■「ありがとう」→「ありがとう!嬉しいなあ」
感謝の気持ちを伝える言葉「ありがとう」は最上級のほめ言葉でもあり、言われた相手を幸福な気持ちにする。また、相手に感謝できる自分を感じることができ、自分の心にも幸福感が残る言葉でもあるのが「ありがとう」だ。
この「ありがとう」に「嬉しいなあ」という一言を添えてみると、一段上の特別な「ありがとう」になる。感謝の言葉にもう一言添えることで、お互いの幸福感も関係性もより良いものになる。
■「おはよう」→「あ、おはよう」
ただの「おはよう」に一文字加えるだけで、相手の印象は変わる。
あなたは、朝出社してきた同僚の挨拶に、パソコンの画面を見たまま「おはよう」と返していないだろうか。ちょっと相手のほうに向き直って「おはよう」というだけでも違った挨拶になるが、さらに「あ、おはよう」「お!おはよう」と一文字添えて、相手の目を見ていうだけでも、フレンドリーなニュアンスが出る。相手は自分の挨拶がちゃんと伝わり、答えてくれたことを実感できる。これを松本氏は「ほめずにほめる方法」と呼んでいる。朝の挨拶のちょっとした言葉選びや態度だけでも、相手をほめることになるのだ。
「ありがとう」や「おはよう」など、普段よく使う言葉に一言添えたり、ちょっとだけ言いかえるだけで、相手に与える印象も良くなり、普段の日常生活から関係性を深めることができる。明日からでも実践できるものばかりなので、言葉遣いに気を使って、実践してみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)