ハライチ岩井「芸能人は華やかじゃない」 平凡な日常に潜む違和感つづるエッセイ刊行
人気お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気さんが初めての著書となるエッセイ集『僕の人生には事件が起きない』(新潮社刊)を刊行した。
本書は新潮社刊行の小説雑誌『小説新潮』とウェブメディア「BookBang」で連載されたエッセイをまとめた一冊で、題材になっているのは「ありふれた日常」だ。にも関わらず、岩井さんの視点を通してみてみると、そこに潜んでいた違和感が顕在化され、日常が特別な時間のように見えてくる。
発売日の9月26日には、本書の出版を記念したトーク&サイン会を都内の書店にて開催。イベント前に報道陣からの取材に応じた岩井さんは、「芸能人って、すごく楽しい出来事がありましたとか、美味しいもの食べましたとか、(外から見ると)すごくいい生活していると思うかもしれないけど、本当に誇張して言っていると思うんです」と指摘する。
その上で、「でも、芸能人もそんな華やかな生活をしているわけではなくて、地味な部分はいっぱいあります。だから、華やかな生活アピールを見て、『自分って平々凡々な生活をしているな』と思っている人に、平凡な生活かもしれないけど、自分的には楽しかったとか、つらかったとか、それでいいんじゃないかと読んで思ってもらえたら」と本書について語った。
本の中で「自分の生い立ちを深堀りされるトーク番組の出演は苦手」と明かす岩井さんだが、自分の周囲に起きていることを切り取り、独自の味付けがなされたエッセイは読みごたえ抜群。
本書を読み終えた後、平凡なはずの自分の日常が少し変わるような一冊だ。
(新刊JP編集部)