朝の通勤中、満員電車の中で突然の腹痛…ギリギリの戦いを避けるために
朝、満員の通勤電車の中で急にお腹がギュルギュルと鳴り出し、途中で下車して駅のトイレを探すか、会社まで我慢をしようか迷う。特に“お腹弱い系”の人はよくこの「ギリギリの戦い」を経験をしているのではないだろうか。
お腹が弱いにしても、なぜ通勤電車で下痢になってしまうのか。
『もう通勤電車で下痢にならない! すべてのお腹弱い系を救う40の方法』(松生恒夫著、祥伝社刊)では、30年間で4万人以上の腸を診てきた医学博士の著者が、排便のメカニズムから朝の過ごし方・便意と上手に付き合う方法まで専門医としての結論を紹介している。
■「朝ごはん抜き」は引き金の一つ?
松生氏が感じているのは、年々、下痢に悩まされている患者さんが増加していることだという。
家を出る前にトイレに行っておけば安心できるが、その時間に限ってしたくならないもの。
特に朝ギリギリまで寝て、朝食を摂る余裕もなく、バタバタしながら朝出かけるような生活では、トイレにかける時間も持てない。
松生氏によれば、排便が起こるまでの過程で、大腸から肛門へと便を移動させる「大蠕動」が起こるという。これは食べ物や水分の摂取によって1日1~3回起こる。特に朝食を食べたあとの約1時間後に起こりやすいが、この動きは10~30分しか持続しない。そのため、ちゃんと朝食を摂らないと便意を適切に感じにくくなってしまうのだ。
そして、朝食を食べずに、駅のホームでコーヒーを買って飲んでから慌てて通勤電車に乗る。こんなことをしてしまうと、そのコーヒーが引き金となって、通勤電車の中で大蠕動が起こり、強い便意が起こってしまうという。
■満員電車という環境のストレスも問題
また、ストレスフルな環境にも注意だと著者は指摘する。
満員電車の身動きもできず、押し合いへし合いのなかで体を押されると、極度なストレスを感じる。こんなときにもお腹が痛くなるケースは多い。
お腹は痛い、トイレに行きたい。でも身動きはとれないし、電車はしばらく止まらない。このストレスフルな環境は、便意にも大きく関係しているのだ。
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もし満員電車が引き金の一つなら、例えば会社の制度でリモートワークが許されているなら家で仕事をしてから出社するなどができるだろう。また、トイレに行ってから出社をするということも可能であるはずだ。「朝、その時間に出かける」から、自分の体にあった働き方をするということを考えるきっかけになる。
通勤電車で便意をもよおしてしまう、お腹が弱い人は、本書から下痢の正体や便意をもよおさないための食生活やライフスタイルを学ぶことで、快適な生活に近づけるかもしれない。
(新刊JP編集部)