近鉄電車の駅名で一番多く使われているのは「田」。2番目に多いのは?
NHKの鉄道バラエティー番組『鉄オタ選手権』。
中川家の司会のもと、「タレントチーム」「鉄道会社の社員チーム」「鉄道大好き一般チーム」が毎回、鉄道で旅をしながらクイズで競い合い、己の鉄道知識をいかんなく発揮する番組だ。
その舞台は全国各地の私鉄。
関西地域では南海電鉄、京阪電車、近鉄電車、阪神電車、阪急電鉄の5大私鉄が登場し、各チームがクイズの解答でしのぎを削る戦いを繰り広げた。
『鉄オタ選手権 関西編』(「鉄オタ選手権」番組制作班著、扶桑社刊)は、その「関西編」で出題されたクイズをまとめた一冊。歴史や沿線にまつわる問題はもちろん、番組出演者が挑んだ「音問題」は、本に書かれたコードをスマホで読み取れば、実際に音を聴きながら挑戦できる。「鉄道ファン」なら知っておきたいマニアック度の高いクイズに挑んでみるのもいい。例えばこんな問題が登場する。
■近鉄の駅名で2番目に多く使われている漢字は次のうちどれでしょう?
(近鉄電車のクイズより)
A、山
B、川
C、寺
D、近鉄
問題にある「2番目」というのがミソ。近鉄の駅数は全部で286と関西5大私鉄の中では最大規模。その236の駅名の中で最も多く使われている漢字は田んぼの「田」で、32駅となっている。
正解は「A」の「山」
「山」とつく駅名は25あり、2番目に多く使われている漢字になる。「川」は17駅、「寺」は13駅、そして「近鉄」は16駅だ。「山」がつく駅名が多いのは、生駒山をはじめ、様々な山を越えていく電車のため。
ところで「近鉄〇〇」という駅名、かつては「近畿日本〇〇」という駅名だったという。時代に合わせて駅名が変化しているのも、近鉄電車の面白いところだ。
■伝説のカリスマ創業者を擁する阪急電鉄のシンボルカラーといえば?
クイズを解ける自信はないけれど、鉄道のことを詳しく知りたい!という人は、随所に掲載されている関西5大私鉄の小ネタから読むのもいい。
例えば、阪急電鉄の歴史についてはこうだ。
阪急電鉄の歴史を語る上で、そのカリスマ的な創業者、小林一三の存在を無視することはできないだろう。
小林は現代に至るまでの全国の鉄道経営に大きな影響を与えた人物。当時まだ珍しかったローンを取り入れた分譲住宅の販売、歌劇団や遊園地といった沿線の観光振興などに積極的に取り組むという偉業を果たしている。
また、阪急電鉄と言えばマルーン色の車両だが、1910年の開業当時からほとんど変わらないその色合いは阪急電鉄の象徴となっている。その一方で、最新の車両には先進技術を積極的に取り入れており、伝統と最先端が共存した車両となっている。
他にも、関西5大私鉄の中で最も歴史が深い南海電鉄、阪神タイガースでも知られる阪神電車、沿線に世界的に有名な観光地を擁する京阪電車に関する、なるほど!と思うようなおもしろい知識が登場する。
関西に住んでいる人にとってはなじみ深いこれらの路線。関東に住んでいる人も、関西へ旅行に行ったときにはぜひ乗ってみてほしい。そのときに、本書を読んでおけばうんちくを語ることができるはずだ。
(新刊JP編集部)