上司がしてはいけない部下に対する12の言動
デール・カーネギーといえば、自己啓発の元祖とも言われている人物。その著書『人を動かす』と『道は開ける』の2冊は、世界的ベストセラーとして知られ、ビジネス書・自己啓発の王道となっている。上司の立場に立つ人は、そのノウハウを学びたいと読んだことがあるかもしれない。
『人を動かす』というのは日本語に訳された際につけられた邦題で、原書は「友を獲得して人に影響を与える」がタイトルだった。つまり、人に好かれる方法が説かれているのである、
カーネギーについて、日本人は「人を管理し、動かす方法」を期待するかもしれないが、そうではない。「人に好かれること」が本質であることを知る必要がある。その上で本書を読むと、より効果が期待できるのだ。
2016年に出版された『実践版 カーネギー』(プレジデント社刊)は、社会心理学の「対人好意」を専門とする対人心理学者の齊藤勇氏が、『人を動かす』『道は開ける』のエッセンスを対人心理学の視点でわかりやすく分析している。
例えば上司と部下の関係について。「人から好かれる」ということを考えた場合、まず大切なことは、相手に嫌われないことが重要。そこで、部下に対して、上司がしてはいけない12の言動が本書にあげられている。
1、指示、命令する
2、評価する
3、避難する
4、怒る
5、脅す
6、アドバイスする
7、説教する
8、自慢話をする
9、相手の話を取り、自分の話にする
10、プライベートを質問する
11、相手の感情を受け入れない
12、感謝やお礼を求める
これらはいずれも権威的な言動で、対人関係を悪くしてしまいがちな項目だ。
たとえば、「自慢話をする」。長い自慢話、若い頃勇伝をすることは上司としては気分がいいが、部下たちは「またか」と思うだろう。実際、自慢話は部下にとってメリットを見出しにくい。また、過去の栄光と現在の仕事の現場が実情に即していない場合、ただの迷惑になってしまうという。
また、『人を動かす』の「人を変える9原則」の中にもある「ほめる」は、とても重要で相手の心をとらえやすいと著者。仲間や上司からのほめ言葉は、多少の失敗に耐える力と前進する力を与えてくれる。そして、支えてくれた人たちに友情や尊敬を抱かせてくれるのだ。
職場での人間関係に悩んでいる上司の方々は、カーネギーの『人を動かす』『道を開ける』から良好な対人関係を築く術を学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)