成長するための「知的生産性」を高める5つの視点
「もっと遊びたい」「もっとラクをしたい」「もっと手を抜きたい」。
そんな気持ちをエンジンに「仕事はミニマム(最小限)で」という考え方で、仕事の成果を出し続けてきたのが『知的生産術』(日本実業出版社刊)の著者である出口治明氏だ。
いかに効率よく仕事をして成果を出せばいいのか。
そのために必要なことは「知的生産性を高める」ことだ。
では、「知的生産性を上げる」とは、どういうことか。
生産性を上げるとは、以下の3つがあげられる。
・同じ仕事をより短い時間でこなすこと
・同じ時間でたくさんの量をこなすこと
・同じ時間で仕事の質を高めること
これらは、人が成長することを意味すると著者。
そして、「知的」とは自分が成長するために、社会常識や他人の意見を鵜呑みにせず、原点にさかのぼり「自分の頭で考える」ことを意味する。
つまり、出口氏の定義する「知的生産性」とは「自分の頭で考えて、成長すること」なのだ。
では、この知的生産性を上げるのはどうしたらいいのか。ここでは、5つの観点から物事を考えることが必要になるという。
1、無限大ではなく、「無減代」を考える
「無」は仕事をなくす。「減」は仕事を減らす。「代」は使い回したり、代用する。これらを考えて仕事をすることが大事である。
2、「なぜ」を3回繰り返す
誰も疑わないことでも、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と深く考え直してみる。これで物事を原点からとらえ直すことができる。
3、「枠」や「制約」の中で考える
「上限枠」や「規制」を設けたほうが、時間当たりの知的生産性が高まる。
4、「数字、ファクト、ロジック」で考える
数字、ファクト、ロジックを踏まえた上で、ゼロベースから新しく発想する。
5、考えてもしかたがないことは考えない
考えてもしかたがないことは、考えないほうがはるかに合理的である。
日頃からこれら5つの視点を持つことが、知的生産性を高めることにつながるのだ。
10年にわたってベンチャー企業を経営してきた結果として、出口氏は「3割のワーク(仕事)に集中し、7割のライフ(人生)を充実して過ごす社員が多ければ多いほど、企業は成長していく」と実感していると述べる。
いかに時間を有効に使って、仕事の成果を出すことができるか。「知的生産性」を高めることで、プライベートも充実させることができるはずだ。
(新刊JP編集部)