「とにかくがんばる」働き方は時代遅れ 生産性を上げるために必要な考え方とは
「日本企業の方と仕事をしていると、毎日のように聞く”がんばる”。しかし、これは日本特有のものです」
こう述べるのは、『がんばらない働き方』(青春出版社刊)の著者である元Google人材育成統括部長のピョートル・フェリクス・グジバチ氏だ。日本のビジネスパーソンに「がんばります」と言われても、ポジティブな印象よりも、忍耐や努力をします、という宣言に聞こえてしまうという。
大切な事は、あれもこれもとがんばるのではなく、ムダを捨てること。がんばるのではなく、がんばらないことが大切なのだ。
本書ではそんな「がんばらない働き方」を指南している。
■「仕事とはこうあるべき」から抜け出そう
これからの時代をリードする人について、ピョートル氏は、自分にしかできない仕事をつくりだし、社会にインパクトを与えるような仕事をするという大きなミッションと情熱を持つ人だと述べる。
では、インパクトを与える仕事をするには、どのような働き方をすればいいのか。
ピョートル氏から見ると、「日本人はステップを踏みたがる」という。
これは、ステップ1、2、3と順番にクリアすればゴールにたどり着けるという学習スタイルを好む、ということだ。言い換えれば、「指示に従うことを良しとする」傾向ともいえる。
しかし、新しい時代を生きるビジネスパーソンに求められているのはアウトプット。
そして、優れたアウトプットを出すためには、「仕事とはこうあるべきだ」というバイアスから抜けだし、生産性高く仕事ができる環境を自分の手で作ることが必要だ。
ピョートル氏によれば、グーグルでは、生産性向上のため、仕事環境が徹底的に工夫されていた。
たとえば、どこで仕事をしていても期待されているアウトプットを出せるなら、会社が文句をつけることはない。「就業時間の20%を使って好きな仕事をしていい」というルールもあり、自由な働き方が奨励されている。
また、これからはロジカルシンキングよりも「ひらめき」が重要になるとピョートル氏。
ロジカルシンキングは考えをまとめて誰かに説明するためのツール。画期的なアイデアをひらめくためには「ロジカルシンキングを捨てる勇気」が必要だ。
新しい価値は「余裕のある頭」から生まれるとピョートル氏は述べる。そのためにも、作業から離れてがんばらない。落ち着いて頭を整理する。仕事のムダを捨て、がんばらないことも日本人には必要なのだろう。
(新刊JP編集部)