だれかに話したくなる本の話

小説家がおすすめする小説はおもしろいに決まってる(2)

こんにちは。新刊JP編集部山田です。

今日は以前に書いた「小説家がおすすめする小説はおもしろいに決まってる」のパート2です。
「ベストセラーズインタビュー」に登場していただいた作家さんが教えてくれた本のなかから、僕が読んでおもしろかったものを紹介します。

余談ですが、本来この日記は「新刊JPでしか見れないコンテンツ」ということで、スマートニュースさん、ライブドアさんなど提携しているポータルサイト(10サイト以上ある)には流さずにひっそりやっていたのですが、前回はあろうことか僕がミスってそちらに大々的に流してしまいました。。ただ幸か不幸か色々な方々の目に触れたようで、SNSなどで反応がちらほら。今日はミスらないようにします。。

さて、今日紹介するのはこちら。

■『調書』(ル・クレジオ著、新潮社刊)

表紙

個人的に読んでおもしろかった本と言っておいてなんですが、わかりやすくおもしろい本ではないです。「小説だ」と思って読むとまちがいなく裏切られることになる。

というのもアダムという男が南仏の海辺をウロウロ歩いたり、ミシェールという恋人(元恋人?)に手紙を書いたりするだけのもので、ストーリーがないからどうも読んでいて頼りない。なんだけども途中から「これ、小説って呼んでいいのか?」という疑問が湧いてきます。この疑問を感じたら、すでにこの小説にハマり始めています。読み続けてもクライマックスなどないことがわかっていても読むという経験は貴重かも。

リラックスしていて気持ちに余裕がある時じゃないと読めない本かもしれません。絲山秋子さんがインタビューで挙げてくださった本です。

■『緑の家』(バルガス・リョサ著、岩波書店刊)

表紙

こいつは小山田浩子さんが教えてくれました。

2つの関係ない話を合体させて作られた小説なんですけど、全然関係ない2つをぶつけて繋ぎ合わせるということは「継ぎ目」があるということで、その継ぎ目に新しいものが生まれるんですね。小山田さんは「本人の意図していなかった効果が出ている」とおっしゃっていました。即興のジャズセッションにちかいのかもしれませんね。

■『族長の秋』(ガルシア・マルケス著、新潮社刊)

表紙

ガルシア・マルケスといえば『百年の孤独』なのですが、『百年の孤独』って割とポップなんですよね。 もっとトガったものが欲しいという方はこっちがおすすめ。個人的には『百年の孤独』は『族長の秋』を読むための練習として最適だと思っています。

これを教えてくれたのは石井遊佳さんですが、石井さんも『族長の秋』の方が「ディテールが濃くて、エピソードがおもしろい」とのこと。

「ベストセラーズインタビュー」はどんどん最新回が更新されるので、これからもいろいろな作家さんがいろいろな本を教えてくれるはずです。

また機会があったら紹介しますねー。

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この記事のライター

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山田洋介

1983年生まれのライター・編集者。使用言語は英・西・亜。インタビューを多く手掛ける。得意ジャンルは海外文学、中東情勢、郵政史、諜報史、野球、料理、洗濯、トイレ掃除、ゴミ出し。

Twitter:https://twitter.com/YMDYSK_bot

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