だれかに話したくなる本の話

美味しいけど足が遠のく「○○なラーメン屋」

提供: 新刊JP編集部

引っ越しをして四ヵ月余り。ようやく近隣のラーメン屋を制覇した新刊JP編集部のオオムラです。

七月に新生活が始まって以来、時間を見つけては自宅から徒歩30分圏内のラーメン屋に行き倒し、やっと十数軒を制覇しました。
何件もラーメンを食べ歩いていると「ここは美味しかったからまた来よう」「そこまでの味じゃないからもう来ないかな」というお店が当然出てきます。

そんななか、稀に「美味しかったんだけど、もう一回来るのはちょっと考えてしまうなぁ……」というお店があります。

今回は、そんな美味しいけど足が遠のく「○○なラーメン屋」のお話です。

ちなみに「値段が高い」「場所が遠い」「接客が悪すぎる」「行列が長すぎる」といった理由は当たり前なので省きます。

■「気合が入りすぎ」なラーメン屋さん

何事も加減というもののがありますよね。
ガラガラガラっと店の戸を開けて、かけられる「いらっしゃいませー」の声にも、ちょうど良い塩梅というのがあります。

都内某所のラーメン屋さんに行ったときのこと。
外に食券機があり、券を買って店内に。すると……。

「えいらっさっいますぇぇぇっっっ‼︎」

思わずビクッとなり、一瞬帰ろうかと思うくらいの「いらっしゃいませ」でお出迎え。
おそるおそる席に着いて食券を出すと、

「あ゛ぁぁい!るぁーめんいっちょぉぉぉ!」

店内はカウンター数席のみでこじんまりしたつくり。そんあ狭めの空間に応援団ばりの大音声。
予想通り、その後の「お待たせしました」も、新たなお客さんが来るたびの「いらっしゃいませ」もまったく勢いは変わらず。

それなりに美味しいお店だったのに、ビクビクしながら食べる羽目になり、なんだか疲れて食べ終えました。
「気合がウリ」のラーメン屋さんは結構ありますが、行き過ぎると足が遠のいてしまいます。

■「設計が甘め」なラーメン屋さん

ラーメン屋さんに来るお客さんは圧倒的に男性が多いと思いますが、ラーメンの種類によっては同じ男性でも客層が偏る場合があります。 特に、ガツ盛り系のお店は、体格が良い人の来店率が高いように思います。

その手のお店で困るのが「席の間隔」が狭いとき。

ただでさえ間隔が狭いのに、両隣が体格の良い人だったりすると、潜水艦の中で敬礼をする軍人のように窮屈な状態で、箸を上げ下げしなければいけません。しかも、ガツ盛り系なので滞在時間もそれなりに長くなるので、なお苦痛です。
そんなお店に入ってしまうと「店を設計する段階でこの状況を予想しなかったのだろうか?」と考えてしまいます。

そんな店に限って、隣同士だけでなく、席と後ろの壁の距離も近かったりするんですよね。
さらに、壁に上着を掛けるハンガーが備え付けられていると、冬場は「どう動けばいいんだ!」と言いたくなります。

■「蚊帳の外」なラーメン屋さん

時々あるのが、夜はバー的な雰囲気で営業しているラーメン屋さん。
この手のお店にはけっこう美味しいお店が多い印象があるのですが、なんとなく肩身の狭い思いをすることがあります。

それは、店員さんと常連さんの親密度がハンパないとき。

個人的には飲食店にフレンドリーな関係を求めるタイプではないのですが、常連さんらしき人数人と店員さんたちが盛り上がっている中に一人でラーメンを食べていると、小心者の私は「なんとなくこの空間にいると、邪魔をしているみたいだ……」と思ってしまいます。

こちらはラーメンを食べに来ただけなので、何も気に病む必要も、その輪に加わりたいわけでもありません。でも、不思議なアウェー感があるんですよね。
そうとは知らずにこのタイプのお店に入ると、どんな味のラーメンでもちょっぴりしょっぱく感じるので足が遠のいてしまいます。

……とまあ、愚痴めいたことを書き綴ってきましたが、どうしてもその店の味が恋しくなったら、結局行くんですけどね。

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この記事のライター

大村佑介

大村佑介

1979年生まれ。未年・牡羊座のライター。演劇脚本、映像シナリオを学んだ後、ビジネス書籍のライターとして活動。好きなジャンルは行動経済学、心理学、雑学。無類の猫好きだが、犬によく懐かれる。

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