だれかに話したくなる本の話

出世できない人が欠けている決定的な「力」とは?

豊富なビジネススキルを持ち、さまざまな資格を取得しているのに、仕事がうまくいかなかったり、出世できない。そんなビジネスマンに足りないものは何か。

答えは、「社内政治力」だ。

『社内政治力』(芦屋広太著、フォレスト出版刊)は、「関係部門に反対され、協力してもらえない」「部下が自分の思うように動かない」「上司と相性が悪い、支援してもらえない」「社内権力者との関係が弱く、話を通すことができない」などのミドルリーダーならではの悩みを解決する「社内政治力」を手にする方法である。

■利害調整で重要な6つの力とは?

自分は仕事上の使命に従って行動しているのに、他部門から待ったがかかる、ということはよくある。その理由は「社内で仕事をすると自然に組織間の利害対立」が発生するからだ。

そこで、財閥系企業の部長職である著者は、そもそも利害対立が発生しないように最初から利害調整しておけばいいのではないかと考えた。

この利害調整で重要なのが、以下の6つの社内政治力だ。

1.社内調整力
関係部門に反対されず、協力してもらえる力
2.部下掌握力
部下が自分の思うように動く力
3.上司懐柔力
上司との関係を良好に保ち、支援してもらえる力
4.社内人脈力
社内に敵を少なくし、支援してもらえる力
5.権力操り力
社内・社外権力者との関係を強くし、話を通すことができる力
6.社外人脈力
社外での活動力、社外人脈を持つことで、社内発言力を強める力

社内政治力を発揮するには、自分の技能、思想、理念、ポリシーを磨き、周囲に「さすがあの人は違う」と社内に思わせなければいけない。それに必要なのが、この6つの力だと著者は語る。

■ダーク・マネジメントを身に付けよ

社内政治力を身につけることのメリットはたくさんあるが、最も大きなことは「自分の仕事の自由度が上がる」ことだろう。

ただし、これらの社内政治力だけでは不十分。なぜなら社内政治では、正論で事が進まない場合も多くあるからだ。だから、正攻法ではなく、裏の手奥の手、使える手は何でも使う権謀術数が必要になる。
本書では「ダーク・マネジメント」と呼び、5つ挙げている。

1.同盟作戦…多数派工作
2.諜報作戦…情報を使っての誘導
3.囲み攻め…会議において数で押す
4.兵糧攻め…相手のリソース供給停止
5.水攻め…権力者から高い圧力を加える

この5つのダーク・マネジメントを応用して得られるのが社内政治力なのだ。

管理職やリーダーになって仕事が上手く進まなくて困っている人、これから上の役職を担うために社内政治を学びたい人に向けて書かれたのが本書。ビジネススキルも資格も身につけているのにうまくいかない人は、社内政治力が不足しているからかもしれない。

(新刊JP編集部)

社内政治力

社内政治力

ミドルリーダー必須のスキル!

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