だれかに話したくなる本の話

部下に嫌われる「馴れ馴れしい」上司の特徴とは

管理職や職場のリーダーと若手社員の関係は難しい。
上司は部下にかける言葉に悩み、部下は上司からかけられる言葉で信頼をなくす。部下とのコミュニケーションに悩む上司は多いだろう。

『部下を元気にする、上司の話し方』(桑野麻衣著、クロスメディア・パブリッシング刊)では、コミュニケーション講師の桑野麻衣氏が、育成においての伝え方や聞き方、言葉の使い方について、桑野氏自身の失敗や成功エピソードから学んだポイントを紹介している。

上司と部下との間に溝があるのが、「親しみやすさ」と「馴れ馴れしさ」の価値観の違いだ。

部下に親しみやすさを演出しているつもりでも、部下からは馴れ馴れしい上司と思われ、嫌われてしまっていることが多い。上司が部下に発している親しみやすさと部下が上司に求める親しみやすさには、ギャップがあるのだ。

「馴れ馴れしい」と「親しみやすい」という言葉は紙一重。それは、ある一線で2つに分かれる。「親しみやすい」という言葉のイメージは、誰に対してもウェルカムな姿勢で接してくれる、感じが良くて話しかけやすいといったものだろう。ただ、このイメージは「馴れ馴れしい」という言葉にも同じだ。馴れ馴れしい人も、誰に対してもウェルカムで、感じが良いだろう。

ではどこに線が引かれているのか。
人の心に土足で踏み込んでくるという印象がそれらを上回ると、「親しみやすい」から「馴れ馴れしい」に変わると著者は述べる。

そして、人の心に土足で踏み込んでくる人は3つの特徴がある。

1、(部下を)バカにしている
2、自己中心的である
3、適切な距離感が取れない

たとえば、1つ目の「部下をバカにしている」というのは、言葉づかいがポイントになるという。

上司としては、部下に対して敬語かため口かで悩むところだろう。しかし、距離を縮めたいがために、部下への言葉を崩してタメ口を使うと、部下側はバカにされたように感じ、「馴れ馴れしい」と認識されるかもしれない。
言葉そのものを崩すというのは実は安易な方法。むしろ、正しい言葉づかいや敬語を使うほうが、部下を尊重することにつながり、上司である自分自身を表現するものとして非常に効果的だという。

世代が違えば、価値観が違うのも当たり前のこと。どのようにそのすれ違いやストレスを減らせばよいのか。1000人の上司と部下の声を聴いた桑野氏のコミュニケーション術は参考になるはずだ。

(新刊JP編集部)

部下を元気にする、上司の話し方

部下を元気にする、上司の話し方

男性・女性、年上・若手、論理的・感情的、どんな人でも伝わる話し方!

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