「敬意なき介護」を変えた 民俗学者の取り組みとは
転職などで異業種・異業界からやってきた人が、業界プロパーでは思いつかなかったアイデアを出して、組織に新しい風を入れることがある。
ただ、どの業界から来た人はどの業界と相性がいい、という傾向はあまりなく、その人の性格による部分も大きいだろう。つまるところ、上記のようなケミストリーが起きるのは偶然の要素が大きい。
『介護民俗学という希望: 「すまいるほーむ」の物語』(新潮社刊)の著者、六車由美さんは大学准教授から介護の世界に「転職」した変わり種。『神、人を喰う――人身御供の民俗学』でサントリー学芸賞を受賞した、れっきとした民俗学者である。