だれかに話したくなる本の話

3万時間のコンサルティング現場で見えた 「成長が遅い人」の決定的特徴

入社した時点では横一線の新入社員も、3年もすると仕事の実力に歴然とした差がついてくる。

「伸びる人」と「伸びない人」、以上に、重要な「格差」がある。それは、「成長が速い人」と「成長が遅い人」の格差だ。その違いはどこにあるのだろうか。

実は両者には歴然とした差があり、「成長が遅い人」はその違いに気づかないうちは「速い人」へは変われない。多摩大学の客員教授で、気鋭の組織開発プロフェッショナルとして 1万2000名以上の企業リーダーを支え、働く組織の現場を見てきた荻阪哲雄氏は、著書『成長が「速い人」「遅い人」』(日本経済新聞出版社刊)で両者の違いを鋭く指摘する。

■「成長が遅い人」の頭の中は「検索で調べられること」ばかり

「智恵」と「知識」は違う。知識とは言葉を使って表現できるもので、ニュースやインターネットから得ることができるもの。対して、実践や経験、試行錯誤の中でしかつかめない気づきや体験もある。それが「智恵」だ。

雑誌やインターネットで代替できない智恵は、難しい課題に取り組んだり、自分のアイデアをともかく形にしてみようともがくこと、つまり挑戦の中で少しずつ身についていくもの。そしてこの「智恵」の獲得を積み重ねるほど、他の人間や人工知能に取って代わられにくい、代替が不可能な価値の高い人へ変わることができる。

あなたの頭の中には、ネット検索では手に入らない「智恵」がどれくらいあるだろうか。

■「成長が速い人」は自ら責任を負う

「責任を取るとは、その問題を、解決することである」と荻阪氏はいう。

ある仕事に対して責任を持つことのプレッシャーは、多くの人が経験したことがあるはず。できれば責任からは無縁でいたいと考える人もいるはずだ。しかしある問題に対して「自分事」として取り組む経験は人を成長させる。

ゆえに、成長が速い人ほど自分が責任を負うことをいとわない。逆に、成長が遅い人は、いつまでも責任から逃げてしまう。

■成長が遅い人は自分しか見えていない

成長が速い人ほど、普段から会うあらゆる人から何かを学び取ろうとする。学ぶ気持ちさえあれば、どんな人からでも学べることはあると知っているからだ。他人は全て自分の知らなかったことを教えてくれる存在だと思えば、相手への敬意が生まれる。必然的に、そういう人は常に謙虚になる。むしろ謙虚さこそが成長の原動力ともいえる。

逆に成長の遅い人は相手を見ずに自分のことばかり考え、他人から何かを学び取るというよりは、誰かが教えてくれるのを待っている。受動的に教えを待つ人と、自ら学びに行く人。その差は大きい。ここに「人間の成長格差」の本質がある。

本書では【惹く(熱望力)】【試す(実験力】【磨く(修業力)】【生み出す(結果力)】【身につける(体験力)】【支え合う(盟友力)】【良くする(好転力)】という飛躍の7力(ななりき)から、「成長が速い人」と「成長が遅い人」の違いを、荻阪氏が解き明かしていく。

今日よりもっと成長したい、今よりもっと成果を出したいという思いは、ビジネスに関わる人なら本能的に持っている気持ちだろう。その気持ちを持ちつつも思うように結果が出ていないのであれば、荻阪氏のアドバイスは心に刺さるはずだ。

(新刊JP編集部)

成長が「速い人」「遅い人」

成長が「速い人」「遅い人」

あなたの【飛躍】は、つくれる――
自分の【成長】は、この力で速くなる―――

気鋭の組織開発プロフェッショナルが、
「成長の速い人と遅い人は、何が違うのか?」
「成長が遅い人が速い人へと変わるには、いかなる力が必要なのか?」を解き明かす。
自分が変われる「成長法」を説いた初の実践書。

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