だれかに話したくなる本の話

NHK朝ドラ「まんぷく」のモデルにも 「大阪人」の気質が生んだ発明品たち

お笑いのメッカ、天下の台所など様々な顔を持つ「大阪」。
そこに住む「大阪人」たちは、日本の他の地域にはないユニークさや個性を持っている。そして、それらが日本人の生活を豊かにしてくれていることもあるのだ。

そんな大阪人の特徴を「あるあるネタ」としてまとめたのが『隠れ大阪人の見つけ方』(なにわクリエイターズ著、祥伝社刊)だ。
「隠れ大阪人」とあるように、本書は大阪出身であることを隠し、ひっそりと生活している大阪出身者が、ちょっとしたときにこぼしてしまう「大阪人らしさ」をピックアップしている。ちなみに、なにわクリエイターズ調べによれば、この「隠れ大阪人」が推定100万人はいるとか。

その数の真偽はさておき、ここでは本書から「大阪人らしさ」が日本全体の生活を豊かにした事例をご紹介しよう。

■大阪人の「せっかち」な気質から生み出された数々の発明品とは?

大阪人はとても「せっかち」な気質で、大阪では、せっかちを「いらち」と言う。もともと商売の町なので、「時は金なり」と考えが根づいており、歩くスピードも速ければ、信号待ちでは、我先にと道路の淵に詰めて並ぶ。
こういった大阪人の「せっかち」という気質ゆえに生み出された発明品はたくさんある。

たとえば、インスタントラーメン。1958年に安藤百福が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を開発し、後に日清食品を創業して「カップヌードル」も生み出すことになる。百福は台湾出身だが、若くして大阪に移り、ビジネスを成功させている。ちなみに10月から放送予定のNHK朝ドラ「まんぷく」は、百福とその妻の仁子がモデルとなっている。

また、駅の自動改札が日本で最初に本格導入されたのも大阪だ。1967年に京阪神急行電鉄北千里駅に導入され、1970年代初頭から関西圏で本格導入し、定着していく。実は、東京で定着するのは、それから10年も先。さらに、切符や飲食店の券売機などの硬貨一括投入券売機も大阪発祥だという。これは1988年のことだ。

まだまだある。みんなが大好きな回転寿司を考案したのも、東大阪市に拠点を構える「元祖廻る元禄寿司」。さらに、横断歩道の信号のカウントダウンも大阪人の発明だという。また、動く歩道は海外で発明されたものだが、日本に最初に導入された場所は大阪の阪急梅田駅だ。

このように、せっかちでありながら、発明家で、先見の明がある大阪人。しかし、冒頭の通り、大阪出身であることをひた隠している「隠れ大阪人」は多い。
本書を執筆した「なにわクリエイターズ」は大阪にゆかりのある約30名のクリエイター集団で、同志である大阪人に「胸を張って大阪人らしくあってほしい」という思いからこの本を書いたという。

大阪人とは、一体どんな人たちなのか。彼らの特徴を知ることが、人生が豊かになることにつながるかもしれない。

(新刊JP編集部)

隠れ大阪人の見つけ方

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