とっても頭がいい! インコの面白い生態
すでにインコを飼っている人から、これからインコを飼おうと思っている人、そしてインコが好きという人まで、楽しめる一冊がある。
『インコドリル』(三輪恭嗣監修、 かんみ(kanmiQ) 絵、新星出版社刊)だ。
タイトルの通り、インコの生態がクイズ形式で出題される本書。問題を解いていくことで、インコの本当の気持ちを学ぶことができるようになっている。本書からいくつかのインコにまつわる興味深い生態を紹介しよう。
■頭がいい「インコ」。反抗期は健全に成長している証
インコはとても頭のいい鳥だ。1990年代に発表された研究では、インコの脳は想定よりもずっと大きく、人間の2歳児並の知能をもつことがわかっている。また、記憶や学習を司る海馬や大脳皮質と似た機能をもち、記憶力が優れていることも判明した。
また、インコの脳は、成長や経験によって発達する。人間と同じようにインコにも反抗期があり、幼鳥期の「いやいや期」と性成熟を迎えたばかりの「思春期」の2回訪れる。突然咬むようになったり、なわばり意識が強くなったりするが、これは健全に成長している証なのだ。
■「目」を見ればインコの気持ちが分かる?
もっとも発達している五感は視覚。昼間に活動する昼行性の動物なので、飛行しながら周囲を見回すインコの視力は、人間の3~4倍ともいわれている。また、色を見分ける能力にも優れており、人間に見えない色も見分けることができるという。
さらに、インコの目は顔の左右についていて、敵から逃げることを最重視した防衛型の目。視野は330度に及び、首を180度回せることを加味すると、周囲360度見渡せることができる。ちなみに、2番目に発達しているのは聴覚。人間と同じくらいあるようだ。
インコの気持ちは、目からも読み取ることができる。瞳孔(黒目)が縮むのは興奮しているサインで、手を出すと、つつかれたり、噛まれたりする可能性が高い。
また、インコが頻繁に伝えるのは「NO」という感情。目を三角にすることで怒っていることを相手に伝え、威嚇する。この表情を見せるのは、機嫌が悪いとき、「来るな」とけん制するときなどさまざまだが、表情筋が乏しいため、すべてこの表情になるのだとか。
インコを飼っている人に聞くと「インコをずっと見ていても飽きない」と言うが、そのくらい感情表現が豊かで、頭のいい生き物なのだ。本書は愛すべきインコのことをより深く知ることができる一冊である。
(新刊JP編集部)