「普通のサラリーマン」が定年後に会社顧問になる時代 求められる人材とは
「人生100年時代」が現実のものになりつつある今、定年退職後にどう生きるかというのは私たちにとって大きな課題となっている。65歳まで会社に勤めたとしても、それからの人生は平均的に考えても約20年は残っているのだ。
長いセカンドライフの過ごし方として、『あなたのキャリアをお金に変える! 「顧問」という新しい働き方』(齋藤利勝著、集英社刊)では「会社顧問」を提案している。
顧問というと大企業の役員経験者が引退後に就く名誉職的なポジションで、限られた人しかなれないものと考えられているが、本書でいう顧問はそうではない。今回は著者の齋藤利勝さんにお話を伺い、企業から求められている新しい形の顧問について語っていただいた。その後編をお届けする。
■普通のサラリーマンこそ求められる!「顧問」というセカンドライフの過ごし方
――本の中で「普通のサラリーマン経験に価値がある」ということを書かれていました。一般論として「日本のサラリーマンはゼネラリストが多い」とされますが、ゼネラリストであっても顧問として価値のある人はいるのでしょうか。
齋藤:いくらゼネラリストでも、30年40年とやっていれば人に教えられる何らかの強みがあるものですし、逆にゼネラリストであること自体も強みになりえます。色々なことが一通りできて、その中で結果を残してきたということですから。
――業種、業界には問わずに需要はある。
齋藤:そうですね。需要は幅広くあります。
――特に顧問として需要が高い人はどんな人ですか?
齋藤:顧問が会社を定年退職した60代の方だとすると、顧問を必要としている企業の経営者やメンバーの方との間に20歳以上の年齢差があることは珍しくありません。そこには当然世代間ギャップが生じますから、大げさにいえば「異文化コミュニケーション」が必要になるんです。
これは上手にできる人もいればそうでない人もいます。顧問としての強みとなる専門分野があるかどうかはもちろん大事なのですが、スペック的な強みがある人は世の中にたくさんいます。そうした強みに加えて年齢も感覚も価値観も違う相手と同じ目線を持つことができる人は顧問としてすごく価値が高いんです。
――今のお話は「現場で好かれる顧問の特徴」と言い換えてもいいのではないかと思います。反対に「現場で嫌われる顧問の特徴」がありましたら教えていただきたいです。
齋藤:自慢話とかつかえない成功事例、自分の人脈をひけらかすタイプですね。顧問として必要とされているのは、企業の現場での困り事を解決したり、そのサポートをすることなので、自分から歩み寄って同じ目線を共有してくれる人が好かれます。
――最後になりますが、本書の読者として想定される40代~50代の方々にメッセージをお願いいたします。
齋藤:平均寿命を考えても100年近く生きる時代ですから、会社を定年退職してもその先はまだ長い。だからこそ「終わった人」にならずにもう一度バッターボックスに立ってチャンスやお金を掴みにいくことが、これからすごく大事になってくると思います。
今回の本で取り上げている顧問という職業は、これまで自分がやってきたことで企業や社会、あるいは人に貢献できるすばらしい職業だということ、そのためにはできるだけ早い段階で自分の強みを持つことが大切だということを伝えたいですね。
(新刊JP編集部)