だれかに話したくなる本の話

精神科医が教える「やっかいな人」の対処法 「知ったかぶり屋」の場合

不可能なことを要求する上司、知ったかぶりをする友人、無理難題を押しつける顧客…。
こうした理不尽な人、やっかいな人が身近にいないだろうか。

やっかいな人とうまくコミュニケーションを取るにはどうしたらいいのか。

『身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法』(室崎育美翻訳、レッカー由佳子監修、あさ出版刊)では、FBI の人質解放交渉のトレーナーも務め、精神分析医として有名企業のトップを指導するマーク・ゴールストン氏が、身近にいる「やっかいな人」から身を守る科学的根拠に基づいた具体的な方法を紹介している。

本書でいう「やっかいな」という言葉の意味は、4つのパターンに当てはまる。

・自分の置かれている状況がわかっていない
・言動や思考の筋が通っていない
・自分にとって最善でない決断をする、またはそのような行動をとる
・まわりの人が理屈で言い聞かせても、どうにもならない

これらの理不尽な言動に対応するには、まずは相手の異常さを受け入れ、異常な状況に身をゆだねることが大切だと著者。
理不尽な人は自分が異常な人として扱われると、その異常な思考にしがみつき、もっと食いついてくる。しかし、相手の理不尽さを受け入れ、その異常な言動に合わせてあげると、状況は一変させることができるという。

例えば、すべてを知っているような素振りをする知ったかぶり屋の場合はどうするか。

知ったかぶり屋に対して、ほとんどの人は防衛的になるか、むっつりする。しかし、この対応では、彼らはますます相手を見下すようになる。なので、まったく逆の手を使う必要がある。

著者が教える「最善の方法」は、知ったかぶり屋たちの現実に合わせ、流れに身をゆだね、対応することだ。
つまり、その人は「博識がある」「天才的」などの言葉を使い、とても賢いと賛同する。そのあとに「みな、あなたの才能を高く評価するでしょう。ただし、あなたが人の感情を逆なでしていると、みなあなたの邪魔をしたくなるでしょうね」といったアプローチをすると、知ったかぶり屋の高い自己評価に合い、彼らは批判をさほど難なく受けとめることができるという。
知ったかぶり屋のエゴを満たしてやればやるほど、彼らはこちらを見下さなくなるのだ。

仕事であったり、家族であったり、やっかいな人とは付き合っていかなければいけないもの。まずは、やっかいな人に合わせ、受け入れることから始めてみてはどうだろう。やっかいな人との付き合い方も変わってくるはずだ。

(新刊JP編集部)

身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法

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