だれかに話したくなる本の話

「失敗は当然」 打たれ強い人はこう考えて毎日を生きている

成果へのプレッシャーや人間関係のストレスは、仕事をしている人なら誰もが感じるもの。しかし、ストレスを溜めてばかりいたら、体調を崩したり、病気の原因になってしまうこともある。

そんな事態になる前に、落ち込んだ気持ちを立て直すにはどうしたらいいのだろうか。

『引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術』(豊田圭一著、クロスメディア・パブリッシング刊)は、著者がビジネストレーナーとしての仕事や会社を興してからのトライ&エラーから得た経験やノウハウから、逆境、失敗、本番に強くなる29のコツを紹介している。

■失敗との向き合い方を変えるだけで引きずりにくくなる

そもそも、失敗をしない人はいない。全ての人と良好な関係を築くことは難しい。ならば、大切なのは、失敗を引きずらないことではないだろうか。そして、意識を切り替えることではないだろうか。

まず、大事なのは失敗についてのとらえ方だ。失敗することが「前提である」と前もって意識を切り替えておくと良い。もちろん、都度最善を尽くすことは必須だが、結果的に失敗することを当然だと思っておくのも大切だ。

また、失敗には「あとで力になる失敗」と「ムダな失敗」がある。すべてがムダな失敗ではない。失敗を反省して原因を分析し、改善点を洗い出すことで、逆にプラスに変えることができるのだ。

■とはいえ、やっぱり落ち込むときは…

ただ、失敗すると落ち込んでしまうものだろう。
そのときは、へこんだ気持ちをいつまでも引きずらないようにするために「1時間ルール」を設定することを著者はすすめている。 つまり、1時間以内で気分を切り替える、と期限を決めることで、ズルズルと引きずらなくするのだ。

同時並行で多くの仕事を抱えているとき、精神的にも肉体的にも一杯いっぱいの状態になり、余計にストレスがたまる。そんなとき著者は、他のことは考えず、とにかく目の前の仕事を片付けることに専念するようにしているという。

一番よくないのは、あれもこれもと考えすぎて何もできない状態だ。
自分に合ったやり方が分からない、考えすぎてうまくいかない。そういう状態にある人は、今の目の前の仕事に集中するのがいいだろう。とにかくまずは何かやってみること。何かやり始めると頭が回転を始める。

逆に言えば、何かを始めないと、いつまで経っても先には進めないのだ。

■良い仕事をするために「疲れをためない」

もちろん、体と頭を休めることも大切だ。よく働く人ほどよく休むのだという。
著者は基本的に土日を休みに当てるようにして、どんなに面白いイベントがあってもほぼ参加せず、海外に行ったときも、お腹を壊しそうなものは食べないようにし、水にはかなり気をつかって過ごすという。そして、なるべく睡眠時間をとって疲れないように心掛けている。

少しでも疲れたと思ったら、昼寝をしたり、早めに寝て、体調が悪くならないように意識しよう。

本書のような前向きな本を執筆している著者だが、最初から打たれ強い人ではなかったという。子どもの頃から気が小さく、人前で話すと顔が真っ赤になっていた。
社会人になってからも2回、仕事中に神経性胃炎で倒れている。ただ、弱かったからこそ、意識を切り替えること、少しずつ自信を積み重ねることで乗り切ってきたというのだ。

調子も良く、健康なときは、それが当たり前だと思ってしまうが、風邪を引いただけでも、健康の大切さが身に染みるものだ。仕事や人間関係のストレスは、否応にも溜まっていくが、早めに解消さえすれば、心身共に健康でいられるはず。そういった経験の繰り返しで、打たれ強い心もできあがっていくのだろう。

気持ちの切り替えがうまくできないという人は、心構えやノウハウを知ることで、失敗を乗り越えることができるはずだ。

(新刊JP編集部)

引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術

引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術

逆境、失敗、本番に強くなる29のコツ。

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事