だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『タタール人の砂漠』ブッツァーティ著

提供: 本が好き!
『タタール人の砂漠』ブッツァーティ著

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なにも起こらないのに、無駄な文章が一つもないこの美しい小説は、なにも成し遂げることがなかった彼の人生もまた無駄なものなどなに一つなかったのだと思わせてくれる。

本が好き!
『タタール人の砂漠』

タタール人の砂漠

辺境の砦でいつ来襲するともわからない敵を待ちつつ、緊張と不安の中で青春を浪費する将校ジョヴァンニ・ドローゴ―。神秘的、幻想的な作風でカフカの再来と称される、現代イタリア文学の鬼才ブッツァーティ(一九〇六‐七二)の代表作。二十世紀幻想文学の古典。