「アメリカに「分断」は常に存在していた」 オマル・エル=アッカドインタビュー(2)
出版業界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』。 第93回目となる今回は、デビュー作『アメリカン・ウォー』(上下巻/新潮社刊)がアメリカ国内で評判となり、邦訳版が発売、そして初来日を果たしたオマル・エル=アッカドさんが登場してくれました。
『アメリカン・ウォー』は2070年代から2080年代という近未来のアメリカを舞台にしたディストピア小説。化石燃料の使用禁止に反発した南部三州と北部州の間で勃発した「第二次南北戦争」に翻弄される主人公サラットと南部の人々が骨太な筆と巧みな構成で描かれます。
続発するテロや拷問、武装組織に強く惹かれる若者たち…。デビュー作にしてコーマック・マッカーシー『ザ・ロード』と引き比べられるほどの傑作『アメリカン・ウォー』がどのように生まれたのか。オマルさんにお話をうかがいました。その後編をお届けします。 (インタビュー・記事/山田洋介、撮影/金井元貴)