【「本が好き!」レビュー】『先生、それって「量子」の仕業ですか? 』 大関 真之著
提供: 本が好き!・・・・・・本当に気まぐれで、返事はいつも曖昧。困ったものです。
これがこの本の主人公である「量子」です。そんな出だしで始まります。明日の飲み会に行く?と尋ねられて、行けたら行くよという曖昧な返事をする困ったやつ。来るもんだと思っていたら来なかった。これが量子の正体だというのです。素敵だと思いませんか?
目の前のありとあらゆることには量子が関わっている。すべては量子の仕業である。まずはがっちり心を鷲づかみ。
そもそも量子って何だ?この疑問に対してわかりやすい説明をしています。文とイラストがとってもわかりやすい。
「量子」とは、この小さな粒のように「これ以上小さくすることができない」という、この宇宙の誕生以来決められている、物理量の限界単位です。
量子は目には見えない世界。分子⇒原子⇒素粒子の順番で細分化されていきます。世界は量子で出来上がっている。
波動関数に関する説明がまたわかりやすい。小さな量子の案内役として暗躍する忍者。そんな説明がされています。
なるほど〜と思わされたのが光合成。光合成について量子と忍者(波動関数)を絡めた解説に初めて出逢いました。
植物は青々とした葉に葉緑体を持ち、そこに太陽の光が降り注ぐと二酸化炭素から酸素を作り出す。これが光合成。
光の粒が飛んできて葉緑体にある電気の粒を弾き飛ばす。電気の空席に電気の粒が戻る前に光合成する必要がある。
無駄なく光合成するために忍者の力を借りて(つまり忍者が導いてあげて)効率良く光合成しているというのです。
これは大胆な仮説として最近打ち出された理論ですが、検証を重ねて本当らしいということになっているそうです。
とまぁ、たくさんの身近な例を挙げて量子の世界、物理学の世界をわかりやすく解説してくれている良書でした。なお、発行元が小学館ということもあって、まるまる一章をドラえもんのひみつ道具に関して割いています。ご興味がある人は是非読んでみて下さい。
(レビュー:allblue300)
・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」