アメリカの白人労働者たちとエリート層の歩み寄りは可能か? 専門家に聞く

2016年11月。アメリカ大統領選挙は波乱を生む結果となった。
ドナルド・トランプ大統領の誕生――知識人やエリートたちはこの事態に慌てた。事前調査では民主党のヒラリー・クリントン候補が優勢と言われていたが、その予測は見事に外れた。
“Make America Great Again”というトランプの掲げたスローガンに動かされたのは、白人労働者(ホワイト・ワーキング・クラス)という人々だ。
『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々 世界に吹き荒れるポピュリズムを支える"真・中間層"の実体』(ジョーン・C・ウィリアムズ著、山田美明・井上大剛訳、集英社刊)は、アメリカのポピュリズムを支えるホワイト・ワーキング・クラスの実体に迫る一冊。
今回はホワイト・ワーキング・クラスについて、本書で解説文を執筆している慶應義塾大学SFC教授の渡辺靖さんにお話をうかがった。その最終回である。