【「本が好き!」レビュー】『誰も知らない世界のことわざ』エラ・フランシス・サンダース著
提供: 本が好き!──コトワザ。
学校で習う文書表現の割には、
日常会話にもちょくちょくお目見えする不思議なモノだ。
何百年前から使われているのかは分からないが、
意外にその内容は古びることがなく、
この歳になっても「なるほどー」と思わされたりする。
また学校で英語を習うようになってから、
世界共通でコトワザがあることにもカンシンした。
そりゃ古びないハズだ。
コトワザは世界で共有する感覚でもあるのだ。
そんな世界のコトワザを集めたのがこの本だ。
ザワークラウトの中で自転車をこぐ byフランス
……、…、………!?「途方に暮れた」状態を差すらしい。
いやうん、確かに途方に暮れたけどさ。
しかもこの語源が面白い。初期のツール・ド・フランスで
脱落者を回収するワゴン車の広告がコレだったんだそうな。
のっけから手強いぞコレは。
2つ目に猿も木から落ちる by日本
ええ、コレも海外から見ると…!?なコトワザになるのかしらん。
ロバにスポンジケーキ byポルトガル
ああコレは分かった。「猫に小判」的な意味ね!
しかしなんでスポンジケーキ?
デコレーションされてないぱっさぱさの土台だけとか、自分もいらんが。
ラディッシュを下から見る byドイツ
ううむ、なんか哲学的な意味がありそうだなあ!
と思ったら「お前は既に死んでいる」的な意味と知って爆笑。
ソレはコトワザなのか。ドコで使うんだ。
北斗の拳がドイツ生まれじゃなくてよかったよマジで。
PとQに気をつけて byアメリカ
コトワザってなにwwww日本風に言うと「めとぬに気をつけて」かな。
エビサンドにのってすべっていく byスウェーデン
すうぇぇぇぇぇぇぇでぇぇぇぇぇぇんんんんん!!!!
なんでそう、なんかズレてるのアンタって子は!!
ちなみに「銀の匙をくわえて生まれてきた」と同義らしいが、
なんつーかすごい価値観変わるねコレだと!!
真夏の太陽にさらされたバケツ一杯のエビのように byオーストラリア
なんかラノベのタイトルになりそう。
こんなのあったら取り敢えず手に取って読んでまうわ。
私にむかってヤカンをたたかないで! byイディシュ
ピラニアがいっぱいの川で、ワニは背泳ぎをする byブラジル・ポルトガル
なんとなくコトワザだけで意味が分かるものもあるが、
大体は説明を読まないと分からない。
もしくは読んでも良く分からない。(笑)
いや、分からなくて当然なのだ。
世界で大事にするものや指標は、違って当たり前なのだから。
それが面白いのだ。
海の水は、ただながめるためだけのもの byスワヒリ語
なんだか牧歌的な言葉に思えるが、実は
喉の渇きを癒すでもない、役に立たないモノの意。
貧しい者たちから見た、裕福な人間の富にも例えられるそうだ。
何だか、心に刺さる。
最後に一番インパクトがあり、一生使うことがなさそうなコトワザを。
神の祝福がありますように。そして
あなたの口ひげがふさふさの柴のようにのびますように byモンゴル
嫌がらせではなく、コトワザである。(笑)
※タイトルのコトワザは「恋は盲目」みたいな意。
その発想がワカラン的な語源は本書でどうぞw
(レビュー:はるほん)
・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」