だれかに話したくなる本の話

映画化で注目の『沈黙』 作者・遠藤周作が語った1966年の講演音源を無料公開・新潮社

現在公開中の映画『沈黙―サイレンス―』の原作者として、最近改めてその名が知られている作家の故・遠藤周作が『沈黙』について語った講演音源を、出版社の新潮社がウェブ上で無料公開した。

この音源は『沈黙』が刊行された年である1966年の6月24日に東京・新宿の紀伊國屋ホールで行われた「新潮社の文化講演会」を録音したもの。

『沈黙』はカトリックにとってのタブーである「棄教」を大きな主題としている。自身もカトリックであった氏は、信仰や宗教をテーマとした一連の作品群で知られるが、この講演では宗教があえて触れようとしないテーマを正面からとりあげるにいたった思いが語られている。

この音源は新潮社ホームページ内で全編無料公開。公開期間は2017年3月末までとなっている。

(新刊JP編集部)

・新潮社・遠藤周作「『沈黙』について」講演音源無料公開ページ:http://www.shinchosha.co.jp/book/112315/#b_section01

『沈黙』

沈黙

島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事