だれかに話したくなる本の話

「本を飾る」という、部屋をオシャレで知的に見せる方法

本は「読む」ためのものですから、大事なのは中身です。

でも、「いい本ほど外見も美しい」というのは読書家の常識。美しい本なら部屋に飾ってみるのもアリです。

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本の表紙は「装幀家」と呼ばれるデザイナーが、本のメッセージを一目で読者に届けるために魂を込めてデザインをします。

だから、個性的でオシャレなものが多いのは当然。その表紙の魅力で「あっ、この表紙良いな」と思わず手に取って、買わせてしまう魔力があるものも。

加えて、装丁画として実際に名の知れた名画が使われることも多々ありますから、本というものはそもそもオブジェの要素があります。

つまり、本は読むことで人生を豊かにし、飾ることで殺風景な自室を豊かにするものなんです。

画鋲を使って壁に貼り付けるタイプのラック(購入時は1728円)を使って、『pen BOOKS』(CCCメディアハウス刊)を飾ってみました。

キリスト教を特集している号で、表紙の下部にはレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が見えます。

こちらはテーブルの上に置いた文庫本。光文社から出版されている古典新訳文庫は、表紙に書かれているイラストがとても個性的。

ナボコフの『カメラ・オブスクーラ』は、一本の線で描かれた、お化けのような、人間のような絵が描かれ、ハクスリーの『すばらしき新世界』は同じ顔がたくさん並んで、少し奇怪な雰囲気を醸し出しています。

本が入っている木箱をビルになぞらえ、その下を自動車が通っているというコンセプトの元に、並べてみました。

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本を使っての部屋のコーディネートは、工夫次第でいろいろなディスプレイを試すことができます。

著名な装幀家といえば、祖父江慎さん(糸井重里著『言いまつがい』、吉田戦車著『伝染るんです。』など多数)や、名久井直子さん(川上未映子著『あこがれ』、恩田陸著『六月の夜と昼のあわい』など多数)、水戸部功さん(マイケル・サンデル著『これからの「正義」の話をしよう』など多数)など。

もし部屋のコーディネートに困ったら、もう少し知的な雰囲気の中で暮らしたいと思ったら、本を「飾る」という方法を試してみるのもアリ。

そして、そんな知的な部屋にやってきた友人や恋人に装丁家の名前を出して本を語れば、「他とは一味違ったセンスのいい読書家」というイメージを演出する効果もあるはずです。

(新刊JP編集部・金井元貴)

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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audiobook:「鼠わらし物語」(共作)

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