注目の小説家・住野よるが影響を受けた3冊の本とは?
君の膵臓をたべたい』の大ヒットが冷めやらぬ中、新作の『また、同じ夢を見ていた』(双葉社刊)が注目を集めている小説家・住野よるさん。
そんな『また、同じ夢を見ていた』についてのインタビュー第3回では、住野さんが影響を受けた3冊をピックアップしていただきました。
インタビュアーとして参戦したブックアイドル・ASUKAさんとともに住野さんにお話しうかがっていきます!
(取材/ASUKA、金井元貴、文/金井元貴)
■現在執筆中の新作小説…一体どんな作品なのか!?
ASUKA:『君の膵臓をたべたい』と『また、同じ夢を見ていた』には共通してサン=テグジュペリの『星の王子さま』が出てきますが、思い入れがあるんですか?
住野:『星の王子さま』は親に初めて買ってもらった物語なのですが、当時まだ子どもだったので、内容をちゃんと理解できませんでした。それから数年後ごとに読み返していく中で、毎回感じることが違って、前は分からなかったことが解釈できるようになったり、逆に純粋な気持ちで読めなくなっていると思うところもあるんです。
そういう意味で、読む年齢によって印象や感想が変わる小説ってすごくいいなと思っていて、自分の書く小説もそこを目指している部分があります。
金井:この「ベストセラーズインタビュー」では、毎回影響を受けた3冊の本をご紹介いただいているのですが、いかがでしょうか。
住野:小説の書き方で影響を受けた本だと、先ほど挙げた中村恵里加さん『ダブルブリッド』と、あとは有川浩さんの『海の底』、乙一さんの『失はれる物語』です。
有川浩さんはもともと大ファンなのですが、一つのセリフで空気をひっくり返してしまう魅力があると思っていて、自分もそういう印象的なセリフを生み出したいんです。「えっ!?」って思わず読み返してしまうような。また、有川さんは僕のようなライトノベルと一般文芸の中間にいる作家たちがデビューする土壌をつくった作家さんだと思います。そういう意味でも憧れですね。
乙一さんは、切ない話にも毒が一滴垂らしてあるような小説が特徴的で、学生のときに「こういう表現があるんだ」と衝撃を受けたことを覚えています。
金井:では最後に、今後の執筆のご予定を教えていただけますか?
住野: 今ちょうど執筆している小説が、双葉社さんから出る予定です。これはどんな作品かというと、100人の僕の作品が好きな人がいるとして、70人は『君の膵臓をたべたい』が好きといって、27人が『また、同じ夢を見ていた』が好きといって、3人がその3作目が一番好きといってくれるような感じです(笑)。
ASUKA:楽しみにしています!
(了)
■取材後記
私事ですが、ちゃんとした?インタビューというものが初めてでどうなるのかと不安で迎えたこの日でしたが、小説家になる経緯や大ヒットされている2作のこと、趣味や好きなもののお話まで優しく丁寧にお答えしてくださしました。
インタビュー中、『また、同じ夢を見ていた』の延長のような幸せや人生についてのヒントが散りばめられていたように思います。次の小説を今書かれているところとのことで、とてもとても楽しみです。(ASUKA)