だれかに話したくなる本の話

「キモい」をポジティブに言い換えると? 話題のアプリが書籍化

普段は扱いにくい“ネガティブな言葉”。そう他人には言えないし、言われた方は正直キツイ。ならば使わないのがもちろん良いのだが、時にはカッとなって言ってしまうこともある。
そんなネガティブな言葉たちを、ポジティブな言葉に言い換えたらどうなるのか。
 「ネガティブに感じてしまう言葉をポジティブにとらえて毎日明るく過ごせたらいいな」という想いから作られたという『ネガポ辞典』(ネガポ辞典制作委員会/著、主婦の友社/刊)から、その一部を紹介しよう。

■「愛想が悪い」
 人当たりが悪かったり、態度が良くない人に向けて使うこの言葉だが、逆に言えば「媚を売らない」ということである。また、自分の意志を貫き通す「他人に流されない」や、無理に人に合わせないので「気疲れすることがない」とも言い換えることができる。
【こんな風に使おう】
ネガ「あいつって、ほんと愛想悪いよな」
ポジ「彼って、えらい人を前にしても媚売らないじゃん。カッコいいよな」

■「キモい」
 言う方はわりと軽い気持ちで言うことが多いが、言われるとものすごくショックな、この「キモい」は、インパクトがあるという意味で「存在感がある」と言おう。また、特徴がはっきりしていて「個性がある」、謎に満ちている「ミステリアス」も言い換え可能だ。とにかく言われると「キモい」は本当に落ち込むので、なるべくなら他人に向けて使わないで欲しい。
【こんな風に使おう】
ネガ「キモッ!」
ポジ「存在感がありすぎて、目が離せないんだけど、どうしよう」

■「引きこもり」
 自虐ワードとしてもよく使われるが、これをポジティブに言い換えれば「蝶になる前のさなぎ」、つまり栄養を蓄えている状態でいずれ羽化するということ。いつ羽化するのかは不明だが。また、同様の意味で「戦士の休息」でも可。
【こんな風に使おう】
ネガ「僕は、今はとりあえず引きこもりです」
ポジ「私は、現在は蝶になる前のさなぎです」

■「作り笑い」
 笑う門には福来る。でも、見え見えの作り笑いをされると複雑な気分になることは確か。そんなときは「たとえ最初は作り笑いでも、だんだん本当に笑顔になる」と思うようにしよう。また、場の空気を読んで笑っているのだから、「相手を思いやっている証」とも言い換えることができるし、本人にとってはほおの筋肉の「筋トレ」にもなる。
【こんな風に使おう】
ネガ「あの子の作り笑いってなんなのよ!」
ポジ「相手を思いやってるから、あの笑顔になるのね」

 こんな感じで、『ネガポ辞典』には様々なネガティブワードがポジティブに変換されている。例えば「しつこい」「気がきかない」「異様に安い松茸」「テストで悪い点をとった」などなど。自分で一度どういう風に言い換えるか考えてみて、この本と照らし合わせも面白い。

 ちなみに、この『ネガポ辞典』は北海道の女子高校生(2010年当時)2人が作成したアプリを書籍化したもので、人気テレビ番組でも取り上げたことがあるので、すでに知っている人も多いだろう。しかし、書籍版にはアプリ版にはないワードやコンテンツも収録されているので、アプリ版をインストールしている人も手にとって損はないはず。これを読めばポジティブな毎日が送れるようになる…かも?
(新刊JP編集部)