部下が選ぶ「嫌いな上司」の特徴は?
米ギャラップ社の「世界の職場現状2023年版」によると、日本は「熱意ある社員」「職場への愛着がある社員」の割合が5%しかいないという。
仕事への意欲が見られない社員、主体性がない社員など、モチベーションが感じられない部下をどう扱っていいか悩むリーダーは多いだろう。どうしたら社員のやる気を向上させることができるのか。
■部下が選ぶ「嫌いな上司」の特徴は?
『こうして社員はやる気を取り戻す』(三谷文夫著、ぱる出版刊)では、社会保険労務士であり産業カウンセラーでもある三谷文夫氏が、社員のモチベーションが下がる要因と対処法を紹介する。
感情コントロールができない人が上司だと、部下はやる気を失ってしまう。もちろん感情的な上司は嫌われる。嫌いな上司の下で働いてもやる気が出ない。まさに負のスパイラルである。
Job総研「2022年職場の上司に関する調査」によると、嫌いな上司の特徴で「感情的ですぐに怒る」(20.6%)がランキングに入っている。機嫌によって部下に対する態度が変わる上司だと、部下は常に上司の機嫌を気にするようになるため、仕事に集中できない。
なので、リーダーになる人が身につけるべきスキルは、怒りの感情のコントロールだ。感情のコントロールの手法のひとつに、アンガーマネジメントがある。アンガーマネジメントは、怒り(アンガー)によって後悔しないこと(マネジメント)を目的とした心理トレーニングのこと。まずはアンガーログをつけて、自分の怒りの傾向を知ることから始めるといい。意外と自分が何にイライラしているのかわかっていないもの。イラっとしたら、その都度、「日時」「時間」「場所」「できごと」をメモしておく。これを続けていると、部下のことでイライラしていることが多いと思っていたけど、案外家庭での出来事でイライラしているといった気づきもあるかもしれない。 そして、イライラの原因を部下や家族や日々の出来事のせいだと思っているとしたら、それを180度転換する。怒りの原因は自分にあると捉え方を変えるのだ。原因が自分にあると捉えるからこそ、怒りをコントロールすることもできるようになる。自分が生み出した感情には責任をもって、自分の機嫌は自分でとれるようにならなければならないのだ。
社風、職場環境や労働環境、上司など、社員のモチベーションが下がる要因はさまざまある。労務コンプライアンス、安心安全、働きやすい職場作りの観点から社会保険労務士の三谷氏が対応策を解説する本書を参考にしてみてはどうだろう。職場の雰囲気や社員のやる気向上に役立つはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)