「伝わる」だけでは不十分!双方向の対話力を手にする秘訣とは
伝えたいことがうまく伝わらない、話そうとすると緊張してしまうなど、コミュニケーションの悩みを抱えている人も多いだろう。コミュニケーションをうまくとるには、「伝える」という一方通行に終わらず、受け取る相手に「伝わる」という双方向性が大切になる。では、どうしたら伝え、伝わる会話ができるようになるのか。
◾️「伝わる」だけでは不十分!双方向の対話力を手にする秘訣とは
『「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと 次につながる対話力』(木場弘子著、SDP刊)では、TBS初の女性スポーツキャスターとして活躍し、現在は大学教授や複数の企業での社外役員務めるなど、発言の場を広げている木場弘子氏が、「伝える」だけではなく、相手に確実に「伝わる」双方向のコミュニケーションのための対話を提案し、一方的な意見・情報の押しつけではなく、相手に寄り添う「心」や「姿勢」の重要性にフォーカスした対話力を高めてくれる方法を紹介する。
対話において、言いたいことをしっかり「伝える」ためには、話す内容を定めて、その整理から始めること。そのあとに、話す順序、話す速さ、話す声など、考えるべきさまざまな点がある。その中でも成功の鍵となるのが、全体の流れを意識した構成を事前に考えておくことだ。
構成を考える場合は「わかりやすく」を第一に、大きく3つの部分に分けて考える。「1.最初の5分」は、聞き手と自分が向き合うための段階であり、場の空気を良くするための共感を生み出す時間。共感が生まれたところで「2.本編」に入る。そして、「3.最後の5分」で話の全体を振り返った「まとめ」をしておくと、伝えたいポイントが印象としてしっかり残る。
コミュニケーションの場では、本編が最も重要であるのは当然だが、最初と最後の5分間にも意識を向け、全体の流れをつくることも大切となる。
多人数の会議やプレゼンの場や初めての相手を前にして、いざ話そうとすると緊張してしまうもの。緊張してしまうのは、自分を自分以上に見せようとするからだ。人間は何かしようとするとき、それがパーフェクトに成功する様子を理想として抱く。けれど、理想というのは簡単には実現しない。理想と現実のギャップに直面し、心配や不安、自己嫌悪に駆られて緊張してしまうのだ。
人間は、自分以上には決してなれない。しかし、自分以下になる必要もない。そのことに気づき、受け入れることができれば、気持ちが一気にラクになる。無理に自分以上になろうとせず、まずは今の自分を出し切ることを第一に目指してみるのがいい。
木場氏は円滑にコミュニケーションを取ることで、自分の可能性も広げていったという。「伝え、伝わる」対話のコミュニケーションを心掛けることで、仕事やプライベートもうまくいくようになるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)