だれかに話したくなる本の話

80代以降の人生充実度を分ける70代の過ごし方とは?

「人生100年時代」のキーワードは「何歳まで健康に生きられるか」だろう。 100歳まではつらつと生きられたらそれがベストだが、病気をすることもあれば、足腰が弱って満足に歩けなくなることもある。脳機能だって衰えていくし、目が悪くなったり耳が聞こえにくくなることだってある。

年齢を重ねていけば若い頃とくらべてあらゆる身体機能や脳機能が衰えていくのは避けられない。それでも元気に毎日を楽しめる時間をいかに伸ばすか、は考えてみて損はないテーマである。いつかは老いを受け入れなければならないが、まだ抗えるうちから老いに従順になる必要もない。

■70代はまだ老いと闘える

『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』は、老いるとはどういうことか、老いに抗うこと、そして老いを受け入れるとはどういうことかについて考えていく。

長生きは「人生の質」を伴ってこそ価値がある。ならば年を重ねても人生の質を落とさないためにできることは何だろうか。

80代以降は、老いていく自然の成り行きを味わいながら、事故や大病で命を落とすこともなく、天寿をまっとうしつつあるからこそ、この老いを生きているのだ、と考えてもいいのではないでしょうか。(P54)

遅かれ早かれ老いはやってくる。80代にもなればもはやだれにとっても老いは避けられない。この年代に差し掛かったら、もう老いには抵抗せず、受け入れることを学ぶ方が人生の質は高まる。

いっぽう、本書では70代はまだまだ老いと闘える時期、としている。70代をどうすごすかで、80代以降の人生が決まるのである。

■70歳で老いる人、80歳になってもハツラツとしている人

では、この年代をどうすごすべきなのか。
メッセージはシンプル。「とにかく動き、とにかく頭を使うこと」である。

同じ70代でも、身体能力や知力は個人差がある。加齢とともにこれらが衰えていくのは仕方がないが、そのスピードは人それぞれなのだ。この個人差の原因は「体や頭を使い続けているか」だという。

というのも、体も頭も使わなくなると一気に衰える。その衰え方は年齢を重ねた人ほど激しい。若い人が骨折して入院したとしても、治れば歩けるようになるし、入院中寝ているだけでも知力がどんどん落ちることはない。しかし70代ともなるとそうはいかないのだ。入院中に筋力が衰えてまったく歩けなくなることもあれば、天井ばかりながめて生活していたせいで理解力が急速に衰えることもある。

70代以降は頭も体も使えば使っただけ老化を遅らせることができる。とにかく休まずに体を動かし、頭をはたらかせることが大切なのだ。

誰にでも訪れる老いだが、毎日の過ごし方次第でそれは急速なものになったり、ゆっくりになったりする。それは老後の生活の質を大きく左右するだろう。

老いをどう迎えるかを分ける70代。この年代の人が日々の過ごし方を考えるうえで、本書は大いに役立ってくれるはずだ。

(新刊JP編集部)

どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる

どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる

50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者、和田秀樹先生が35年以上の高齢者診療で辿り着いた「極上の死に方」について説く。

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