人間関係をギクシャクさせないための言葉の言い換え術
自分の言いたいこととは裏腹に誤解を招いてしまったり、うまく気持ちを伝えることができずにもどかしい思いをした経験は誰にでもあるだろう。
そんなとき、普段、何気なく使っている言葉を別の言葉に言い換えるだけで、自分の気持ちをうまく伝えることができるようになる。
『すてきな大人の言い換え手帳』(鹿島しのぶ著、大和書房刊)では、日常のシーンごとに具体的な言い換え例を紹介している。本書からその言い換え例をのぞいてみよう。
■正しいことを言うときは少しひかえめに
相手の間違いは角が立たないように指摘したいところ。そんなとき、「この部分、間違っています」とストレートに表現することも間違ってはいないが、スムーズに、気持ち良く仕事をするためにも言い方、伝え方に配慮することは必要になる。
そこで使いたい言葉が、「念のための確認ですが、この部分はこちらでよろしいでしょうか」だ。きつい言い方をして相手を責めても、いい結果は生まれない。相手が上司であれば「恥をかかされた」と思われてしまうかもしれないし、部下であれば、上司からきつく指摘されたことで萎縮してしまうかもしれない。
あらゆる人との関係において、正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいいということだ。
■依頼を断るときは否定した形で終わらない
断ることが苦手という人も多いだろう。何かを依頼されて断るときに、悪い印象は残さないようにしたいもの。
何か頼まれたときに「今週は忙しいのでできません」と言うのではなく、条件を変えれば可能であるならば「来週でしたらお受けできます」と、具体的にこちらから提案して、受け入れる意思があることを伝えるのがいいという。
また、どうしても難しい場合は、「また機会がありましたらお声がけください」と伝える。その一言があるか否かで、相手からの印象が変わり、次回の依頼があるかないかに大きく関わってくる。
人とのやりとりで否定した形で終わると、そこで相手との関係性が切れてしまう可能性がある。なので、何かを依頼されて断るときにも、次につながる言葉を残すようにしよう。
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相手にとっても、自分にとっても心地よい人間関係を築くためにも、本書を通して言葉の使い方を普段から意識してみてはどうだろう。今まで使っていた言葉を言い換えるだけで、自分の気持ちも伝わりやすくなるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)