「足で稼ぐ」から「デジタル」へ。「DX」が営業を変える
さまざまな分野でデジタル化が進む中、従来の営業が通用しなくなっていると感じている中小企業も多いだろう。営業担当者のパーソナリティや頑張りなど、「人」に依存した営業力強化は限界にきているのではないか。
そこで進めたいのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だ。デジタルの力で、効率的に営業力を強化。顧客管理を行い、細かなサポートを実現する。その結果、顧客を飛躍的に増やし、確実に売上を伸ばし続けることを目指すのが「営業DX」だ。
『売上増の無限ループを実現する 営業DX』(KADOKAWA刊)では、株式会社NIコンサルティング代表取締役で中小企業診断士の長尾一洋氏が、予算も人的リソースも少ない中小企業が顧客数増や売上増という企業存続に大きく関わる指標を持つ営業部門からDXの導入を始めるべきだと提案。顧客獲得からアフターフォローまでDXを通じて営業改革の方法を紹介している。
■「足で稼ぐ」営業は限界。デジタルの力を使う
これまで「足で稼ぐ」という営業手法は、一定のエリア内に見込み客がいて、移動効率が落ちないから成立していた。ところが、人口減少によって顧客の絶対数が減ると、担当エリアの顧客密度は落ちる。
そうなると、移動効率が悪くなり、これまでと同じ時間内に回れる数が減少。頑張って回ったとしても顧客数に限界があるので売上は落ちることになる。そして、担当エリアを広げざるを得ないことになり、さらに移動効率は悪化する。
すでに「足で稼ぐ」という営業は物理的限界を迎えているといえるだろう。
そこで使うのが「デジタルの力」だ。データに基づいた営業にシフトすることで、物理的限界を超えたアプローチができるようになる。
長尾氏が提唱する「営業DX」は、データとデジタル技術の活用を前提に、営業部門の枠を超えて顧客接点を見直し、新規客獲得から既存客フォローまで一気貫通させるプロセスを構築することで、営業支援と省人化を実現し、営業生産性を高めることだ。
まずは、営業担当者を通じた顧客へのアプローチや営業機能という領域に絞ってDXを始める。そして、営業からDXを導入し、やがて全社のビジネスモデルの変革や商品改革、経営戦略の立案へと全社を巻き込んだDXを実現させる。
営業DXは、顧客を起点とする長期間にわたる全社変革運動ともいえるのだ。
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DXのための予算がない。デジタル人材がいない。そんな中小企業でも売上増に直結する営業DXからスタートすれば、会社全体の変革をも引き起こすことができるかもしれない。
(T・N/新刊JP編集部)