だれかに話したくなる本の話

やりたいことを前に進めるための「相談」のタイミングとは

一人で仕事を抱え、行き詰まってしまった経験はないだろうか。
そんなとき、必要なのが「相談する力」だろう。「一人で考えて行動する」から「みんなで考えて行動する」へ思考を変えることで、仕事が劇的に前進していくのだ。

『相談する力 一人の限界を超えるビジネススキル』(山中哲男著、海士の風刊)は、日々の仕事の中にシンプルな相談のノウハウ・習慣を取り入れてやりたかったことを実現させていくための相談のスキルを紹介する一冊だ。

■やりたいことを前に進めるために「相談」はいつすべきか?

相談とは、自分一人の限界を突破し、仲間の力を借りてやりたいことを実現するビジネススキルだ。ただし、相談はあくまでも手段。目的は物事を前へ進めることだ。物事を進めるときには、「見立て」「仮説」「計画」という3つの段階がある。

「見立て」とは、「〇〇をやってみたい」など、未検証の自分一人の思いつき、アイデアのことを指し、見立ての段階は自分一人だけで考えている状態のこと。

「仮説」は、事業やアイデアを実現していくうえで欠かせない5つの要素について、一度でも相談・検証を行なって一次情報を得ている状態だ。この「5つの要素」とは、「目的」「顧客」「商品・サービス設計」「マーケティング」「制約」で、自分なりの見立てを立て、相談・検証により仮説へと進化させ、磨き続けて精度を高めることで、事業やアイデアの実現可能性が高まっていく。

そして、5つの要素それぞれの仮説が磨かれると、事業を実現するタイミングがやってくる。これが「計画」の段階だ。ここで気をつけるべきが「ただ5つの要素を個別に磨くだけではうまくいかない」ということ。5つの要素が一貫性をもって説明できる状態にならなければならない。

この3段階を常に行ったり来たりして事業は前進する。そして、このすべての段階で、相談することなくしては進んでいかないのだ。

ただ、「もっと早く相談すればよかった」と後悔することもあるだろう。この3つの段階のどのタイミングで相談すればいいのか。

まずは、物事が行き詰まらないようにするための予防相談だ。「見立て」の段階でアイデアが1つしか思い浮かばないときは、すぐに相談すべきだ。
2つめは、物事が行き詰まってからする対処相談。異なる意見が出たら、対処のためにすぐ相談する。自分と異なる意見が出たときに、より多くの人に相談することで、思い込みを外すことができるはずだ。
最後に、偶然を活かす種まき相談。可能性の種をまくことで、思いよらないアドバイスや人の紹介が生まれることがある。

 ◇

一人で考えていると思い込みに縛られ、行き詰まってしまうことも多い。そうならないためにも本書を通して「相談」というスキルを身につけ、日々の仕事の中で活かすことで、やりたいことが実現できるはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)

相談する力――一人の限界を超えるビジネススキル

相談する力――一人の限界を超えるビジネススキル

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この記事のライター

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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